北朝鮮の金委員長、平昌五輪を前に対話求める-試される米韓同盟

  • 韓国大統領は金委員長の発言を歓迎、協議の用意
  • 金委員長は核兵器で米国を攻撃できるとの主張も繰り返す

新年の演説をする金正恩朝鮮労働党委員長

Photographer: Jung Yeon-je/AFP via Getty Images
Photographer: Jung Yeon-je/AFP via Getty Images

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が来月の平昌冬季五輪成功に向けて韓国との緊急協議を1日の新年の演説で求めたことは、同国からの対話の呼び掛けを拒否してきた北朝鮮側の戦術的転換となる。これを韓国の文在寅大統領は歓迎し、緊張緩和に向け国際社会と協調する意向を示した。
  

  同委員長の演説は、制裁強化と戦争の脅威で北朝鮮への圧力を強めるトランプ米大統領が就任して以降、最も希望が持てそうなトーンだが、北朝鮮の核開発をストップさせる最善の方法を巡り昨年ぎくしゃくした米韓同盟の強さが同時に試される。

  朝鮮半島未来フォーラムのキム・ドゥヨン客員シニアフェローは「ポジティブなメッセージで、ボールはソウルとワシントンの側に渡った」と指摘。「金委員長は南北関係の改善に大変集中しており、これは同盟国間にくさびを打ち込もうとする機会を増やすものだ。韓国にとっては、この先のあらゆる段階で米国に連絡し協調することが重要になる」と説明した。

  文大統領は韓国には無条件協議の用意があるとしているものの、米国は北朝鮮が核兵器開発を断念するまで直接対話に応じられないとの立場。金委員長は1日、北朝鮮は米国を核兵器で攻撃できるとの主張も繰り返し、その抑止力を「元に戻すことはできず」、核弾頭生産を続けると誓った。「核のボタンが常に私の机の上にあるということが脅しではなく、現実だ」と発言。「米国は現在、私とわれわれの国に対して、戦争を始めることは決してできない」と述べた。

  トランプ大統領は大みそかの集まりで北朝鮮の脅威について問われると、「そのうち分かる、そのうちに」と繰り返した。

  北朝鮮との国境まで約80キロメートルに位置する平昌での冬季五輪は緊張緩和に絶好の機会。開催国・韓国の文大統領は北朝鮮に参加を繰り返し呼び掛けており、金委員長は1日、「われわれは心から平昌五輪が成功するよう望んでいる」と発言した。

  韓国紙の東亜日報によると、同国与党の複数のメンバーが北朝鮮の五輪参加の可能性を探るため北朝鮮当局者らと先月末に中国で秘密裏に会った。情報源は伝えていない。

  金委員長は新年の演説で「北朝鮮と韓国が腰を下ろして、自ら南北朝鮮の関係改善と劇的な打開策を真剣に協議すべき時期だ」と指摘。平昌五輪にも言及し、「われわれは代表団派遣を含めて必要な措置を取る用意がある。このために南北の当局者が緊急に会うことが可能だ」と述べた。

原題:North Korea’s Call for Talks Tests U.S.-South Korea Alliance (1)(抜粋)

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