ドル・円は小幅下落、年末需給や北朝鮮リスク警戒で112円台後半

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  • ドル指数は年間ベースで5年ぶり下落、米利上げでもドル高進まず
  • 米減税とファンダメンタルズ評価で年初はドル買い圧力も-みずほ証

東京外国為替市場ではドル・円相場が小幅下落。年内最後の取引で需給中心の展開の中、北朝鮮リスクへの警戒もあり、ややドル売り・円買いが優勢だった。

  29日午後3時13分現在のドル・円は前日比0.1%安の112円71銭。朝方つけた112円97銭から一時112円69銭と前日安値(112円67銭)付近まで下落し、その後は同水準付近で小動きとなった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「年末調整の中、ドル・円はきのうもみ合いを下放れした感じがあるので、少し戻り売りが強い感じ」と解説。北朝鮮によるミサイル発射の兆候も「休みの間にやられると最初の反応は円買いだろうから、今までの経緯から一時的だとしてもいったん警戒しなければならない」と話した。 

  一方、112円70銭には日足一目均衡表の雲の上限があり、同水準付近は「いったんは固い」と鈴木氏は分析。年明けに発表される米経済指標も堅調な内容となりそうで、年初は米国の減税とファンダメンタルズを評価した「ドル買い圧力が見られるのではないか」と予想した。 

  米国では1月3日に12月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、5日に12月の雇用統計が発表される。また、同3日には今年3回目の利上げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC、12月12、13日開催)の議事録も公表される。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは議事録について、減税効果を見込んで成長率見通しを引き上げたものの、物価見通しや利上げ回数は据え置いたという中で、「物価についてどういう議論があったのかは、来年の利上げ回数を占う上で注目したい」と話した。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は年初から8.3%下落。米連邦準備制度理事会(FRB)による年3回の利上げはドル高につながらず、このまま行けば年間ベースで2012年以降で初の下げとなる。ドル・円は年初来3.6%安。年間レンジは年初につけた118円60銭から9月安値の107円32銭で、値幅(11円28銭)は1973年4月の変動相場制以降で5番目の小ささとなる見通し。

  一方、ユーロ・ドルは欧州政治リスクの後退や域内の景気回復などを背景に年初から10%以上ユーロ高・ドル安が進行。29日の東京市場では1ユーロ=1.19ドル台前半と前日の海外市場でつけた1カ月ぶり高値(1.1959ドル)付近で小動きだった。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、2017年の為替の主力はユーロだったが、「今年見たようなユーロの快進撃を来年見るのは難しい」と予想。来年は欧州中央銀行(ECB)の債券買い入れが減額されるが、ECBには金利上昇やユーロ高に対する覚悟がなく、「タカ派をあおってユーロが買われるというようなことはもうないと思う」と話した。

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