コンテンツにスキップする

トランプ法人減税で浮いた資金、自社株買いだけでは吹き飛ばず

  • アナリストは18年の設備投資額予想を2年ぶり高水準に引き上げ
  • 税制改革は企業が成長目指し投資増やすインセンティブに-トッド氏

米企業はトランプ大統領の税制改革で手にする資金をどう処理していくつもりだろうか。

  これは見解が割れかねない問題だ。経営者は法人税率が現行35%から21%に低下することで浮いた資金を自社株買いを通じて株主に還元すると予想する向きもいる。この資金が新たに投資されて経済に行き渡るというトランプ大統領のビジョンは妄想だったといずれ判明すると減税懐疑派は指摘する。

  一方、こうした見方に同調していないのは株式アナリストたちだ。個別企業に関する彼らの調査リポートでは少なくともそのように見える。多数の企業に関するトップダウン分析からは、企業経営者はこの資金を設備投資に使うとウォール街の金融機関が予想していることが示されている。

  アナリスト予想では、S&P500種株価指数構成企業の月間設備投資額は2018年に2年ぶりの高水準の780億ドル(約8兆8000億円)に達する見通し。現在の月間投資額は約710億ドルで、昨年後半とほぼ変わらずの水準にある。減税実現見通しの進展を受けウォール街は企業による実際の投資より急ピッチに見通しを上方修正したようで、投資の予想と実績の差は8月以降で最大だ。

Widening Gap

  もっとも、アナリストが間違っている可能性もある。アナリストの設備投資額予想は16年半ば以降増加していたが、実際の企業投資額はその間に減額してきたからだ。ただ、そうした傾向は税制改革法案が承認される前までの状況だった。設備投資のコストを即時償却できるようにするなど投資に有利になり得る税制改正も行われるため、法人税率引き下げで恩恵を受ける企業にさらにフリーキャッシュフローが増えることになる。エバーコアISIが集計した調査によると、18年に設備投資の増額を計画する企業経営者は全体の約36%と、16年の4倍だった。

  グリーンウッド・キャピタルの最高投資責任者、ウォルター・トッド氏は「設備投資の伸びはほとんど芳しくなかったが、18年は変化の年になる可能性がある。税制改革は企業が成長を目指して投資を増やす強いインセンティブになる」と指摘した。

CapEx Expectations Pick Up

原題:No, Trump’s Tax Windfall Won’t All Be Blown on S&P 500 Buybacks(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE