大納会の日本株は小幅続落、終盤息切れで内需さえない-銀行は堅調

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  • 年末年始の連休控え売買は低水準、株価指数の方向感出にくい
  • 28日の米10年債利回りは2.43%と下げ止まる、LME銅は10日続伸

29日大納会の東京株式相場は終盤に息切れし、小幅に続落。年末年始を控え積極的な買いが見送られる中、食料品やサービスなど内需セクターが相対的に安い。一部報道で営業減益懸念が広がったローソンなど小売株も軟調。半面、米国の長期金利下げ止まりを材料に銀行株は堅調だった。

  TOPIXの終値は前日比1.47ポイント(0.1%)安の1817.56、日経平均株価は19円04銭(0.1%)安の2万2764円94銭。

  アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェローは、「市場参加者が少ない。景況感は良く、懸念される需給要因もないが、日経平均で1万9000円台から2万3000円まで上昇した後だけに、このままのペースで上がっていくことも難しい。来年1ー3月はもみ合い」との見方を示した。金利上昇で高いPERが許容されたテクノロジー株中心の物色から、「今後は出遅れバリューが買われる相場に移る可能性がある。商品市況が底を入れた中、商社や非鉄金属などは割安銘柄が多い」と言う。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  東京市場はあすから5連休に入る。来年1月4日の大発会までの間、中国では12月31日に12月の製造業購買担当者指数(PMI)、1月2日には財新マークイットPMIが発表され、米国では1月3日に供給管理協会(ISM)製造業景況指数など海外で重要経済統計の公表が多い。

  税制改革が実施に移された後の米国株動向を見極めたいとのムードもあり、きょうの東証1部売買高は8億株台、売買代金は1兆5000億円台と低迷。銀行株の堅調に加え、昨日午後に下落した反動もあり、午後半ばまでは何とかプラス圏を維持したが、明確な方向性は見いだしにくかった。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「日本は年末年始に世界の中でも長期の休みに入ることから買いにくい。中国の実体経済を示す足元の指標などを考慮すれば、PMIは下振れの可能性がある」と指摘。中国景気指標の下振れで2016年の大発会は日経平均が582円安、翌日も76円安となった記憶があり、「地政学リスクや米中指標にらみで持ち高調整の売りが出やすい」と話していた。

  TOPIXの下落寄与度1、2位は秋以降に上げが目立った電機と化学。食料品や情報・通信、サービスなど内需セクターも下げた。28日の米国債は反落し、10年債利回りは2.43%と2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「米国金利の上昇により、債券代替的な内需ディフェンシブは投資魅力が相対的に低下する」とみている。

  半面、銀行や商社株は堅調に推移し、株価指数を下支えした。銀行は、長期金利の下げ止まりで金融セクターが堅調だった米国株の流れを引き継いだほか、金利の大幅低下を材料に前日売られた反動もあった。商社は、ロンドン金属取引所(LME)の銅相場が0.7%高の1トン=7289ドルと10日続伸、一時14年1月以来の高値を付けたことがプラス要因。

  17年の日本株は、TOPIXが20%高と2年ぶりの上昇、日経平均は19%高と6年連続の上昇となった。上昇率は13年(TOPIX51%、日経平均57%)以来の大きさ。年前半は地政学リスクへの警戒などから一進一退だった半面、9月以降に上昇基調を強めた。大和証の石黒氏は、「円高止まりで企業業績への警戒があったが、7ー9月期業績をきっかけに稼ぐ力が明確になった」と分析。1円の為替変動に対する業績感応度が四半期ごとに弱まり、「円高抵抗力がついている。日本は景気敏感業種が全体の60%を超え、世界経済拡大の恩恵を享受した」と言う。

  東証1部33業種は食料品や化学、サービス、空運、電機、繊維、情報・通信、建設、小売など15業種が下落。上昇はガラス・土石製品やパルプ・紙、銀行、証券・商品先物取引、金属製品、精密機器、保険など18業種。売買代金上位では信越化学工業、資生堂、ローソンが安い。これに対し、三菱UFJフィナンシャル・グループやTDK、17年12月期営業利益が従来予想を上回りそうだと日本経済新聞が29日に報じた旭硝子は高い。

  • 東証1部の売買高は8億8915万株、売買代金は1兆5465億円、売買高は11年大納会以来、6年ぶりの低水準
  • 値上がり銘柄数は1030、値下がりは914
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