三菱マ:データ改ざんで許容値リスト、不正は遅くとも90年代から

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  • 規格外の製品であっても許容範囲の検査数値を記したリストが存在
  • 非常に深刻で由々しき事態と受け止めている-三菱マ社長

竹内章社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

三菱マテリアルは28日、子会社による製品の検査データ改ざんに関し、規格を外れていたとしても許容範囲と定める数値を示したリストが存在したことや、不正行為が遅くとも1990年代からあったと認められることが分かったなどとする特別調査委員会の中間報告を発表した。最終的な報告書は2018年2月末をめどにまとめる。

  同日都内で会見した三菱マの竹内章社長は「かなりの者が不正に関与しており、かなりの期間にわたって行われていたことが明らかになった。非常に深刻に受け止めており、由々しき事態だ」と述べた。「コンプライアンスに対する意識の薄さが最大の原因」と述べ、「これを確実に変える対策を施すことが私の責務であり義務だと考える」と話した。

  三菱マは11月、子会社の三菱電線工業と三菱伸銅でパッキンと呼ばれるシール材や銅条などの一部製品の検査データを改ざんしていたと発表。さらに、今月19日には三菱電線で携帯電話などに使用される部品でもデータ改ざんが見つかったと発表した。別の子会社である三菱アルミニウムでもデータ改ざんが明らかになっている。問題製品の出荷先は計269社に及ぶ。社外弁護士を含めた調査委員会が原因究明を進めていた。

  報告書によると、三菱電線の箕島製作所(和歌山県)では「シルバーリスト」と呼ばれるリストが存在し、不適合品であっても合格品として扱うことが許容される数値が記載されていた。リストはエクセルファイルに保存されており、検査グループの従業員は閲覧することができた。1996年ごろからリストに新たな製品が登録される件数が多くなっていたことが認められた。2013年ごろには当時の社長もリストの存在の可能性とデータ改ざんの可能性について認識していたと考えられるとしている。

  また、三菱伸銅・若松製作所(福島県)では、製品が規格に適合しないことが確認された場合、独自に合否判定を定めた「需要家別検査ポイント表」と呼ぶ文書を参照して、検査記録のデータを書き換えることが日常的に行われていた。このポイント表は1999年5月20日時点ではすでに存在しており、2001年7月の改訂版では、規格に適合しない場合に、検査記録のデータを書き換えることが定められていた。

シェア拡大を優先

  報告書は、三菱伸銅では仕様書を順守する意識が不足し、製造可否よりもシェア拡大を優先した可能性があるなどと指摘。「製造業を営むものとして基本的な事項がないがしろにされていたと評価せざるを得ない」とした。三菱電線については「非常に深刻な内容」だとして、最終的な報告書で徹底した原因究明と再発防止策が盛り込まれるべきとしている。

  三菱マは同日、品質管理体制を再構築すると発表。検査データの自動取得などを進めることでデータ改ざんなどの不正を防止する。品質監査部門の権限強化なども検討する。

  データ改ざん問題を巡っては東レも27日に外部の有識者委員会による調査報告書を発表。不正の原因については品質管理を担当する人員不足に加えて、納期や顧客からの品質に関するプレッシャーがあったなどと指摘した。一方、年内を予定していた神戸製鋼所の外部調査委員会による調査取りまとめは来年2月にずれ込んだ。

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