レオン・ブラック氏に税制のジレンマ、ウォール街の事業モデル変化も

  • 新税制は上場パートナーシップに組織転換の選択肢もたらす
  • パートナーシップから法人への転換で税制上の恩恵の有無が問題に

レオン・ブラック氏は、自らが率いるアポロ・グローバル・マネジメントのようなウォール街の金融会社にとって、米国の新税制が有利に働くかどうか思案している。

  プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のアポロやブラックストーン・グループ、カーライル・グループなど株式を上場するパートナーシップは、法人とは異なる方式で課税されている。今回の税制改革で納税額を減らせる利点を活用すべきか、あるいはこの機を生かして有限責任会社(LLC)やリミテッド・パートナーシップ(LC)から株式会社に組織転換し、納税額が増えるもののこれまで手に届かなかった投資信託からの投資を引き付けることができるようにすべきなのか。ブラック氏は「われわれはまだ分析中だ」と12月6日に開かれたゴールドマン・サックス米国金融サービス会議で述べた。

レオン・ブラック氏

フォトグラファー:Patrick T. Fallon / Bloomberg

  いずれにせよ、マネーを生む結果となる公算が大きい。税制改正により、ブラック氏が最高経営責任者(CEO)を務めるアポロなどのような会社には恩恵がある。新税制で法人税率が下がるため、上場するパートナーシップは組織転換を検討する可能性はある。収益の通常30%以上を占める運用報酬は既に法人税率で課税されており、同税率は今後、引き下げになる。税制改革ではキャリードインタレストと呼ばれる成功報酬への23.8%の課税についてはほとんど変更がなかった。

  パートナーシップでは成功報酬は株主への支払い時に追加課税されることはないが、法人に転換した場合は支払い時に2回目の課税を受けることになる。デビボイス&プリンプトンのグローバル税務担当副会長ピーター・フルチ氏によれば、配当として支払われる成功報酬への税率は合計で40%近くになるという。

  しかし、法人に転換した場合は、指数採用への道が開かれ、それに伴ってミューチュアルファンドや上場投資信託(ETF)からの投資を引き付ける可能性も出てくる。多額の投信マネーがS&P500種株価指数など主要指数をベンチマークとしているため、投資家層拡大で株価収益率(PER)が高まる可能性がある。

  ジェフリーズ・グループでPE会社を担当するジェラルド・オハラ氏は「転換でPERがどう高まるかは判断しにくい。PE会社が格闘している問題はこれだと思う」と述べた。

ブルームバーグのペギー・コリンズ記者がレオン・ブラック氏の税制改革のジレンマについて解説。

(出所:Bloomberg)

原題:Leon Black’s Tax-Plan Dilemma Could Alter Wall Street Model (1)(抜粋)

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