野村CEO:米国で買収検討、人員は「倍になってもおかしくない」

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  • バンカーのチームでの獲得や「会社ごと買う」も検討-永井CEO
  • 欧州事業は自己売買取引から撤退、収益性なければ今後人員削減も

野村ホールディングスの永井浩二最高経営責任者(CEO)は、米州で投資銀行業務を拡大するため買収を検討していることを明らかにした。また、同地域でのバンカー数の割合は「倍になってもおかしくない」との見方を示した。

  リーマン・ブラザーズの米国事業の買収を逃してから約10年、永井CEO(58)はこの地域でのビジネスについて「顧客にフェイスするところが弱い」とし、現在バンカーのチームでの獲得や、「会社ごと買う」ことも検討しているという。

永井CEO

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  欧州拠点においては、自己勘定取引から撤退したことを明らかにし、今後収益性の上がらない業務は閉鎖、縮小し、人員削減を行う可能性があると述べた。関係者によれば、米国でインベストメント・バンキング業務に携わる陣容は200人規模。バンカー数で世界全体の1割程度で、欧州は約2割を占める。

  永井CEOはブルームバーグのインタビューで、米欧の人員数の割合について、市場規模を考えると「バランスが確かに悪い」と述べた上で、「ヨーロッパの人員を減らして、米国を単純に増やすか、ヨーロッパをそのままで米国を大きく増やすか、マーケット環境や収益業況をみながら判断する」と今後の方針について語った。


フィープール

  野村HDの海外拠点は赤字が続いたため、欧米を中心にこれまで1000人規模のリストラを実施、前期(2017年3月期)に7年ぶりに海外で黒字転換した。

  同社によれば、投資銀行業務の市場規模は、米州が世界最大で448億ドル(56%)、欧州が182億ドル(23%)、日本を含むアジアが172億ドル(21%)となっている。

  ブルームバーグの集計によれば、野村の米国での企業の合併・買収(M&A)助言ランキングは、2017年はこれまでのところ23位で、16年の48位から上昇している。同地域での株式の引き受け業務では42位と昨年の50位からランクアップ、また米国の債券業務では17位。

Where Nomura's investment bankers are based

Numbers may rise in U.S., fall in Europe

Source: Nomura

  野村の欧州の人員総数は9月末時点で3047人、米州は2348人、アジア・オセアニアは6756人で、日本は1万6706人。投資銀行業務に携わり、実際に案件を発掘するバンカー数は非公表だが、米州は全体の12%で、年間250億ドル規模の市場規模を考えると早期の拡大が野村の喫緊の課題だ。


新たな挑戦

  野村はここ数年、米国での業務の強化に取り組んでいるが、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースからマーケットシェアをなかなか獲得できないでいる。日本企業による米国企業買収におけるアドバイザリー業務で野村は11位で、みずほフィナンシャルグループの下に位置している。

  日本に基盤を置く野村にとって、米国事業の拡大は難しい。米国金融機関から優秀なバンカーを起用するのは、野村の同地域での立ち位置、歴史的背景、競争環境などを考えると簡単ではなく「悩ましい」と永井CEO。同社は最近、米国でUBSグループとクレディ・スイスの元バンカーをマネジングディレクターとして起用している。

  野村の買収が実現すれば、世界的な金融危機後、リーマン・ブラザーズのアジアと欧州ビジネスを取得して以来初めての証券会社の買収となり、同社の世界でのプレゼンスは向上する。しかし、かつてリーマンの人員継承後「不協和音」にさいなまれた経験もあり、買収は野村にとって新たな挑戦となる。

  野村HD株は29日、前日比5.6円(0.9%)高の665.1円で取引を終えた。年初来では3.5%下落している。

英語記事:Nomura CEO Targets U.S. in Push That Could Include Acquisitions

(第12段落に株価動向を追加しました.)
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