11月消費者物価0.9%上昇、11カ月連続-求人倍率43年ぶり高水準

更新日時
  • 生鮮食品とエネルギーを除くと0.3%上昇-前月上回る
  • 労働需給の逼迫が賃金上昇につながるかが問題-野村証券の桑原氏

A man carries shopping bags as he walks down a street in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

総務省が26日発表した11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は11カ月連続で上昇した。エネルギー価格の上昇が全体を押し上げ、市場予想を上回った。雇用関連指標は引き続き好調で、有効求人倍率は1974年1月(1.64倍)以来43年10カ月ぶりの水準。家計の支出は増加した。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.9%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.8%上昇)ー前月は0.8%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇(予想は0.3%上昇)ー前月は0.2%上昇
  • 有効求人倍率は1.56倍(予想は1.56倍)と2カ月連続上昇
  • 完全失業率は2.7%(予想は2.8%)と5カ月ぶり改善ー1993年11月以来24年ぶりの水準
  • 家計調査は実質消費支出(2人以上の世帯)が1世帯当たり27万7361円と前年比1.7%増(予想は0.5%増)-前月は横ばい


背景

  消費者物価指数が11カ月連続のプラスになったのは、前月に続きガソリンを含む石油製品の押し上げ効果が大きい。物価の基調を示す生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは低迷が続いている。労働需給の逼迫(ひっぱく)が賃金と物価の上昇に結びつくと分析する日本銀行に対し、エコノミストの間では2018年のコアCPIの伸びは停滞するという見方が根強い。

  日銀は今年度のコアCPIの見通し(政策委員の中央値)を0.8%上昇、18年度を1.4%上昇、物価目標2%達成時期は「19年度ごろ」とみている。黒田東彦総裁は21日の会見で、雇用と所得環境の改善によって「消費者の値上げに対する許容度も、少しずつ増してきている」と指摘。今後は「企業の賃金・価格設定スタンスは次第に積極化していく」と予想した。

  企業の景気見通しには明るさが広がり、日銀が15日公表した12月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は5期連続で改善し、11年ぶりの水準まで上昇した。堅調な世界経済を背景とした好調な企業業績が、景況感を押し上げた。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、状況は改善しているものの物価が「1%まで上昇していないのも事実」だと指摘。2%目標には遠いため、日銀は現状維持を続けるとみる。今後は、労働需給の逼迫(ひっぱく)が賃金上昇につながるかが問題だと述べた。
  • 大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは電話取材で、物価や消費は「全体的に強い」としつつ、物価は「1%までいっても一時的で、その後はエネルギーの押し上げ効果が剥落するだろう」と予想した。失業率はまだ改善する余地があり「労働市場はさらに逼迫する可能性はある」と指摘している。

詳細

  • 全国の総合CPIは前年比0.6%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.2%上昇
  • 上昇したのは灯油(26.0%)、都市ガス代(7.5%)、診療代(3.5%)、ガソリン(10.5%)、下落は携帯電話通信料(5.2%)など
  • 東京都区部(12月中旬速報)コアCPIは前年比0.8%上昇(予想は0.7%上昇)-前月は0.6%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く東京都区部(同)コアコアCPIは0.4%上昇(予想は0.3%上昇)-前月は0.2%上昇
(詳細を追加しエコノミストコメントを差し替えました.)
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