財政赤字10年ぶり低水準、税収増見込む-来年度予算案を閣議決定

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  • 総額97兆7128億円と過去最大、国債発行8年連続減で依存度34.5%に
  • 「楽観的な税収に起因、決算で悪化も」-SMBC日興証券の宮前氏

政府は22日、2018年度一般会計予算案を閣議決定した。総額は社会保障関係費の増加に伴い97兆7128億円と6年連続で過去最大を更新したが、60兆円近い税収を見込み、新規国債発行額を8年連続で減少させた。これによって、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は改善し、赤字額は10年ぶりの低水準となった。

  歳入のうち税収は27年ぶり高水準の59兆790億円。賃上げを想定し、所得税を前年度当初比6%増の19兆200億円としたほか、消費税収は2.5%増の17兆5580億円と見積もった。法人税収は1.8%減の12兆1670億円。国債発行額は2%減の33兆6922億円に抑え、国債依存度は34.5%と10年ぶり(当初ベース)の低水準に抑えた。

  これによって国債費を除いた歳出と国債収入以外の歳入を差し引きしたPB赤字額は10兆3902億円と2年ぶりに改善し、5兆1848億円の赤字だった08年度以来の低水準を記録した。国・地方を合わせた政府の長期債務残高は対国内総生産(GDP)比196%の1108兆円程度、国の普通国債残高も対GDP比156%の883兆円程度といずれも過去最高を更新した。

PB改善は足踏み

2016年度以降は横ばい

出所:財務省

備考:当初予算ベース

  SMBC日興証券の宮前耕也シニア財政アナリストは19日のリポートで、税収増の勢いが鈍る中、歳出抑制が進んでいないことから、安倍晋三政権発足後続いたPB改善は16年度以降止まりつつあると指摘。来年度予算での改善を「高成長前提に基づく楽観的な税収に起因したもの」とし、「補正後予算や決算ベースで悪化するリスクがある」との見方を示した。

  歳出のうち政策的経費を含む一般歳出は0.9%増の58兆8958億円を計上。社会保障関係費が1.5%増の32兆9732億円と6割近くを占める。このほか政権が掲げる生産性革命や人づくり革命に重点的に予算を配分した。

  国債費は1%減の23兆3020億円とした。想定金利は1.1%。日本銀行による低金利政策を踏まえ、歴代最低を記録した前年度から据え置いた。

  麻生太郎財務相は閣議後の会見で、予算案は人づくり革命と生産性革命に重点化したとし「経済再生と財政再建を両立する予算ができた」と語った。「幸いにして税収が伸びている」とも述べ、財政健全化を図るための経済成長を「維持していくことを考えなければいけない」と話した。

(最終段落に麻生財務相の発言を追加しました.)
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