日銀の無風の1年、リバーサル・レート言及は「政策変更意味しない」

  • 「アクセルを緩める気配は感じさせなかった」-大和証券・野口氏
  • 1、3月会合で総括検証第2弾指示の可能性-第一生命研・藤代氏

日本銀行が黒田東彦総裁の就任以来初めて、大きな政策変更をせずに1年を締めくくる。一部で政策変更の前触れかと話題になったリバーサル・レート言及についても、黒田総裁は見直しを示唆する意味合いはないと述べた。

  黒田総裁は21日の金融政策決定会合後の会見で、11月のリバーサル・レートへの言及は「学術的な分析を取り上げた」にすぎないと説明。昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和についても「何か見直しや変更が必要だという事は全く意味していない」と述べ、一部で浮上した早期の金利引き上げ観測を否定した。

  また「金融仲介機能に現段階で何か問題が生じているということはない」とした上で、「近い将来も問題が生じるとは考えていない」と述べた。短期金利マイナス0.1%、長期金利0%のイールドカーブ(利回り曲線)についても「変える必要があるとは思っていない」との見方を示した。

  黒田総裁は11月13日の講演で行き過ぎた低金利が金融仲介機能を阻害し緩和効果をそぐリバーサル・レートに言及し、「リスクにも注意していきたい」と発言。反響の大きさに、4日の講演で、現在の長短金利操作で金融システムに問題は生じていないと火消しを図っていたが、改めて強調した格好だ。

  大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストはリポートで、黒田総裁は2%の物価目標実現に向け「アクセルを緩める気配は感じさせなかった」と指摘した。

  片岡剛士審議委員が前回同様、現状維持に反対したが、今回も議案提出はなし。反対理由を、「15年物国債金利が0.2%未満で推移」するような長期国債買い入れが適当から「10年以上の国債金利を幅広く引き下げる」ために変更した。野村証券の美和卓チーフエコノミストはリポートで、同委員の反対意見に「同調が広がる可能性は低い」としている。

  第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストはリポートで、今後の注目点は「総括的検証第2弾」の実施の有無だと指摘した。昨年9月の総括検証では、直前の7月会合で執行部に指示が出されたことから、1月か3月の会合で同様の指示がなされる可能性があるとみている。

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