減税法案の議会通過で米企業が相次ぎ投資策発表-賞与や賃上げも

  • ボーイングは3億ドル投資へ、ウェルズFは最低時給引き上げ
  • AT&Tとフィフス・サードはボーナス1000ドル支給へ

米税制改革法案の議会通過を受けて、米企業は富裕層優遇と国民の間で不評な同法案を巡る世論に揺さぶりを掛けようとしているように見える。あるいは、トランプ大統領には少なくとも気に入られようとしているのかもしれない。

トランプ米大統領(12月20日)

撮影:Andrew Harrer / Bloomberg

  トランプ米大統領は同法案が中間層に恩恵をもたらすと売り込んだが、米国民の大多数は富裕層を助けるものだと見ている。法案の議会通過に先立って米企業経営者らは、法人税率の大幅引き下げで浮く資金を雇用創出や国内投資に回すことについてほとんど具体的な方針を示していなかったが、20日に状況は変わった。

  法案の議会通過を受け、ボーイングは新税制の下で従業員研修や職場環境の改善、企業寄付に合わせて3億ドル(約340億円)を投じると表明。およそ1時間後にはAT&Tが税制改革を祝うため全ての組合員を含めた米国内従業員20万人にそれぞれ1000ドルのボーナスを支給されると発表した。トランプ大統領は20日の記者会見でAT&Tの計画に言及し、「これはわれわれの行動のおかげだ」と語った。

  フィフス・サード・バンコープはさらに進んだ対応を取り、最低時給を15ドルに引き上げるとともに、従業員1万3500人に1000ドルを支給すると発表。ウェルズ・ファーゴも最低時給を15ドルに引き上げるとともに、来年の地域社会や非営利団体への寄付目標額を4億ドルに設定することを明らかにした。ケーブルテレビ(CATV)会社のコムキャストは約10万人の従業員に対してホリデーボーナスとして1000ドルを支給するほか、向こう5年間でインフラに500億ドル強を投じる方針を表明した。

AT&Tのボーナス支給について言及するトランプ大統領

(出所:Bloomberg)

  フィフス・サードのグレッグ・カーマイケル最高経営責任者(CEO)は「われわれは最も重要な資産、つまり当行の人材に投資したい。従業員が当行の評判とビジネス、成功のけん引役だ」と述べた。

  ただ、こうした取り組みで国民が税制改革に好意的見方をするようになるのかどうかはまだ分からない。NBCニュースと米紙ウォールストリート・ジャーナルが19日に公表した調査結果によれば、同案を良いアイデアと考える回答者は24%にすぎず、3分の2近くは富裕層を助けることを意図したものだとの考えを示した。

原題:Wells Fargo, AT&T Try to Show Unpopular Tax Cut Aids Workers (1)(抜粋)

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