みずほ証:メザニン拡大を予想、不動産下落リスクでシニア難しく

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  • シニアローン比率70%台後半が現在は60-70%に低下-不動産市場で
  • 2015年ごろから注力、メザニンローン約300億円取り扱い-みずほ証

Traders working on the Mizuho Americas trading floor are reflected in a mirror.

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

通常の銀行融資(シニアローン)より返済順位が低く金利が高いメザニンローンについてみずほ証券は、不動産関連への金融機関の投融資の姿勢が変化する中で需要が増加するとみている。

  みずほ証の平田啓一・不動産金融開発部長は11日のインタビューで、不動産下落リスクを意識した金融機関がシニアローンを以前ほど出さなくなり、メザニンローンの需要が「足元高まってきている」と述べた。不動産市場全体で2015年ごろは取得額でのシニア比率が70%台後半あったが、現在は60-70%に低下しているという。現在国内でのメザニンローンの市場規模は約3000億円程度と想定している。

  高い金利が付くメザニンは、日本銀行のマイナス金利政策で運用難の機関投資家、現物の不動産投資の利回り低下でJリートなどファンドの投資先としての関心も高い。2015年ごろからメザニンに注力しているみずほ証は、ファンド組成も含めたメザニンローンを約300億円取り扱っている。ファンドは10億-20億円程度、100億円まで多様で、企業、財団、学校法人などに1口1億円以上で販売している。

  Jリートの運用会社のスターアジア投資顧問の加藤篤志社長は「不動産取得競争が厳しい状況においてメザニンローン債権投資は、実物不動産から得られる償却後利回りを超える利回りを獲得でき、分配金を押し上げる効果がある有効な手段だ」と述べた。運用するスターアジア不動産投資法人は10月、都内ホテル取得資金調達のために発行された社債(メザニンローン債権)に4億円投資した。予定利率は東京銀行間取引金利(TIBOR)+5%。Jリートの現物不動産以外で国内初の債権投資だった。

  不動産投資市場では取得者は自己資金と通常の銀行融資(シニアローン)を合わせて取得資金を調達する。シニアローンが足りない場合に、返済順位がシニアより劣後するメザニンローンを借り入れる。国内におけるメザニンの貸し手はリース会社、生保、損保など。

不動産貸出

  国内銀行の不動産業向け貸し出しは9月末現在で73兆9682億円と70年3月以来で過去最高だが前年比ペースでの伸び率は16年9月末の7.04%をピークに減速し、17年9月末は5.95%だった。平田氏は「不動産価格は高止まりが予想されるが、18年以降のオフィス大量供給もあり、金融機関は貸し出し比率を高める状況ではない」との見方を示した。海外の機関投資家や国内私募ファンドが今年の物件取得でメザニンローンで資金調達をするケースが増えているという。

  米総合不動産JLL日本法人は17年の日本の商業用不動産投資額が前年の3兆7000億円から3年ぶりに増加し、約4兆円に達する可能性があると予想している。世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー年金基金は今月、都内の商業・オフィス施設5物件の7割分を928億円で取得すると発表した。

  物件価格の上昇を受けて、都心の不動産投資利回りは低下が続いている。不動産サービスのCBREがまとめた投資家調査によると、東京オフィスビル投資の期待利回りは10月現在で3.4%まで低下し、集計を開始した03年以来最低だった。

  三井住友トラスト基礎研究所が行った不動産投資調査では、今後投資を開始あるいは増加させたい不動産商品について、国内不動産デットを挙げた年金基金の比率は17年は9%と16年の4%から上昇した。機関投資家は4%と前年の6%から低下した。

(最終段落に不動産投資調査について追加して更新します.)
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