日銀会合注目点:リバーサル・レート、黒田総裁会見、片岡氏の提案

  • 事前調査は全員が金融政策の現状維持を予想
  • 市場の関心は「総裁会見に向けられるだろう」-ゴールドマン馬場氏

Pedestrians cross a road in front of the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は21日、金融政策決定会合を開き、当面の運営方針を発表する。エコノミスト44人を対象に11-14日にブルームバーグが実施した調査では、全員が現状維持を予想した。

注目点

理由

リバーサル・レート黒田東彦総裁は11月の講演でリスクに言及、市場では金利引き上げの布石との見方
総裁会見市場は金融緩和の出口への距離や方向性を黒田総裁の発言から推し量ることになる
片岡氏主張片岡剛士審議委員は前回会合で、金融政策の現状維持に反対。追加緩和や長短金利操作修正を主張した

  ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは15日付のリポートで、「金融政策のすべての項目で現状維持」を予想。最新の関心事は「日銀のコミュニケーションの変化」とした上で、市場の目は黒田総裁の「記者会見に向けられるだろう」との見方を示した。

  黒田総裁が先月、行き過ぎた低金利が金融仲介機能を阻害し緩和効果をそぐ「リバーサル・レート」のリスクに言及したことから、長期金利引き上げに向けた布石との見方が市場関係者の間で浮上した。反響の大きさに、黒田総裁は4日の講演で、現在の長短金利操作で金融システムに問題は生じていないと火消しを図った。

  前審議委員の木内登英野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストは13日のリポートで、黒田総裁の発言は金融政策の正常化へ向けた「初期のサインである可能性も考えられるのではないか」としている。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  黒田総裁は就任直後の2013年4月、2%の物価安定目標を2年をめどに達成すると宣言したが、達成見通しの先送りは6回に及び、現在は19年度ごろとしている。10月の消費者物価は、生鮮食品とエネルギーを除くと前年比0.2%と低迷が続く。

  金融政策決定会合は従来、おおむね正午から午後1時の間に終了している。黒田総裁は午後3時半に記者会見を行う。

肯定か否定か

  リバーサル・レートを巡り、黒田総裁は会見でどのような見解を示すか。岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミストは15日付のリポートで、異次元緩和の副作用に対し「何らかの措置が必要だという雰囲気が感じられるかどうか」が重要だと指摘する。最近の情報発信の変化に対し、内容を強く否定しなければ、 長短金利操作の微調整をめぐる「市場の思惑が徐々に強まっていることを肯定していることになる」という。

  一方、大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは同日付のリポートで、市場が早期金利引き上げへの思惑を強めることがないよう「総裁は理論的な説明に終始し、 副作用についての質問を軽く受け流す可能性が高そうだ」との見方を示した。

明確な異分子

  片岡審議委員は10月の会合で、物価目標の達成時期が後ずれする場合に追加緩和を講じることや、15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう長期国債の買い入れを行うことが適当として、現状維持に反対した。議案の提出は見送った。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは14日付リポートで、政策委員の大多数が現状維持を最善の策として認識する中、片岡委員は「明確な異分子」だと指摘。同委員が今会合で「提案をブラッシュアップするのか否か、また主流派との認識の共通項が増加するのか否かが注目される」としている。

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