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トランプ大統領の中国脅威論、米経済の依存を見落とす-エコノミスト

  • 新国家安全保障戦略:中国は米国の繁栄を損なおうとするライバル
  • 中国側が対応でも貿易収支は変化しない可能性-ダラー氏
トランプ大統領

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Photographer: Jim Lo Scalzo/Pool via Bloomberg
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Photographer: Jim Lo Scalzo/Pool via Bloomberg

トランプ米大統領は近年の米国の慣例を破り、中国を米国の繁栄を損なおうとするライバルと位置付けた。だが、密接につながる両国の複雑な関係を変えるには挑戦的論調以上ものが必要かもしれない。

  ホワイトハウスは18日に公表した新しい国家安全保障戦略で中国とロシアを「米国の力と影響力、利益に挑戦し」、米国の安全と繁栄を侵害しようとする大国と表現。トランプ大統領はワシントンで行った演説で「両国やその他の国との素晴らしい関係の構築に取り組むが、常に米国の利益を保護するやり方で進める」と述べた。

  新たな戦略はオバマ前政権での協調的アプローチとは対照的だ。外交政策で米国第一主義のアプローチを取るトランプ米大統領は、他国との「公平で互恵的な」通商を要求することで5000億ドルの貿易赤字の解消を目指すと表明した。

  米国の新戦略は中国に貿易障壁の緩和を促し、米企業に中国経済へのアクセスを広げる可能性もあるものの、両国経済の性質に一層の変革がなければ3090億ドルに上る米国の対中貿易赤字の解消は難しい。ブルッキングズ研究所のシニアフェロー、デービッド・ダラー氏は「中国には多くの保護措置が講じられているため、米国には市場アクセスの面で正当な争点がある」と指摘。「しかし、われわれが求めること全てを中国側が行ったとしても、貿易収支は必ずしも変化しないだろう」と予想した。

  コーネル大学教授で中国専門家のエスワール・プラサド氏は、共和党の減税策が米経済を短期的に押し上げドル高を招けば、米国の輸出価格が高まることになるため、トランプ大統領の通商目標を損ないかねないと述べ、「トランプ政権の対中強硬論は自らの国内・国際経済政策と食い違う」と指摘した。  

原題:Trump’s Rivalry With China Overlooks U.S. Economic Reliance (1)(抜粋)

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