カカオ豆の国にチョコブーム到来か-欧米からも熱い視線

  • スイスのバリー・カレボーや米カーギルが工場を設置
  • チューリップ・チョコレートは「スクール」を11年に開校

カカオ豆の生産国として有名なインドネシアで、つい最近までチョコレートがあまり口にされなかったというのは皮肉なことだ。

  ユーロモニターによれば、インドネシア人が消費するチョコレートは平均で年300グラム。米国人平均の約4キログラムには遠く及ばない。だが所得が増え、人々の好みも変わりつつある。世界の業界大手はチョコレートブームの到来に備えている。

  スイスのチョコレートメーカー、バリー・カレボ-は昨年、インドネシアでは同社初となるチョコ工場をオープン。米カーギルは3年前に東ジャワに1億ドル(約112億円)規模のカカオ豆処理施設を開設。チューリップ・チョコレートは2011年に「チョコレートスクール」を開校している。  

創作チョコレート(ジャカルタにあるチューリップのチョコレートスクールで)

撮影:Paul Geitner

  チューリップのオーナー、フレイアバディインドタマ(FAI)のウイリアム・チュアン最高経営責任者(CEO)は電子メールで、「高品質のチョコ製品を生み出す十分な潜在力と機会を人々に理解してもらうことがわれわれの利益にかなうと感じた」とコメントした。FAIは、不二製油グループ本社とシンガポールのチョコレートメーカー、デルフィ傘下の投資会社による共同経営だ。

シェフのナナン・プリアトナさん

撮影:Paul Geitner

  インドネシア国内で一般的に売られているチョコレートには、ココアバターの代わりに植物性脂肪が使われている。ココアバターで作る高級品と比べ、価格がずっと安くなり、熱帯地域の高温にも強いが、味は劣る。チューリップはいずれの種類のチョコも販売しているが、チョコレートスクールの狙いは「レベル向上」だ。

 

南スラウェシのカカオ農園

撮影:Claire Leow / Bloomberg

  ジャカルタのショッピングアーケード内にあるスクールで生徒を教えるのはシェフのナナン・プリアトナさん。ジャカルタの最高級ホテルやチョコレートの都ブリュッセルでスキルを身に付けた「神々の食べ物」の熱心な伝道者だ。アジア各地からの生徒約2000人がデコレーションやさまざまなチョコ菓子をインドネシア語と英語で学んだ。

  インドネシアには2隻のスペイン船が16世紀半ばにカカオ豆を持ち込んだと言い伝えられている。1720年までにオランダ人が現在のジャカルタ付近にカカオ農園を開いた。

  第2次世界大戦後のブーム期もあったが、最近ではカカオの樹木の老朽化や病害に加え、洪水などの災害で生産が落ち込んでいる。産業省のデータによると、業界の稼働率はわずか49%。植民地時代同様、大半のカカオ豆が輸出に回される。

チョコレートスクール

撮影:Paul Geitner

  チョコレートスクールのメルビン・ペレイラ校長は、生徒の大半が「チョコレートブームに乗ること」を目指す起業家だが、誰もが成功するわけではないと言う。「幾つかのコースで学んだからといって、それがビジネスを始める用意ができたことを意味するのではないと生徒たちに警告している」のだそうだ。

原題:Chocolate Industry Giants Capitalize on Asia’s Changing Tastes(抜粋)

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