債券トレーダーはインフレ恐れず、米国債長短スプレッド10年ぶり狭さ

  • 米5年債と30年債のイールドカーブは07年10月以降で最も平たん
  • 11月の米PCEデフレーターは3月以来の高い伸びへ-調査

債券市場では、12月18日の週に発表される米経済指標で物価上昇が示されると予想されているにもかかわらず、インフレを恐れる様子はほとんど見られない。

  これは米国の5年債と30年債のイールドカーブ(利回り曲線)が2007年10月以降で最も平たんになっていることから読み取ることができる。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長がこの傾向を重視していない姿勢を見せると、同イールドカープは先週、一時52ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで縮小した。同議長は、長期債のタームプレミアムの大幅なマイナスにより、最近はイールドカーブが「より簡単に逆ざやとなり得る」との認識を示した。
         
       

          
  一見すると、今週発表のインフレ指標は債券にとって今年の支配的な賭けを手控えさせる材料に見えるかもしれない。インフレは長期債にとって悩みの種だからだ。米金融当局がインフレ指標として重視する22日発表の個人消費支出(PCE)デフレーターは11月が前年同月比1.8%上昇と、3月以来の高い伸びが見込まれている。ただ、インフレ期待はFRBが目標とする2%を下回る水準で安定して推移しており、トレーダーの警戒を呼び起こす要因はほとんど見当たらない。

  シーポート・グローバル・ホールディングスの国債トレーディング戦略担当マネジングディレクター、トム・ディガロマ氏は「この市場ではイールドカーブの平たん化に絡むトレードがあるだけだ」と述べた上で、「イールドカーブがスティープ化する理由はない。私たちはインフレをしばらく経験していない」と語った。

  2018年のインフレ見通しの正確な予想が求められる債券トレーダーにとっては、月次統計と言えども目を離すことはできない。米金融当局は来年に3回の利上げを予測しているが、市場は2回の利上げを織り込むことにも消極的なままだ。

今週注目の米経済指標

  • 18日:NAHB住宅市場指数
  • 19日:住宅着工件数、建設許可件数、経常収支
  • 20日:MBA住宅ローン申請指数、中古住宅販売件数
  • 21日:GDP確定値、新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数、FHFA住宅価格指数、ブルームバーグ消費者信頼感指数
  • 22日:PCEデフレーター、個人消費支出、耐久財受注、新築住宅販売件数、ミシガン大学消費者マインド指数、カンザスシティー連銀製造業活動指数

         
原題:Bond Traders Flatten Yield Curve Even as Inflation Set to Bounce(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE