【インサイト】天然資源開発向け産業機械の受注、過去の過剰投資が影

顧客サイドの価格と利益の良好な見通しを受け、天然資源開発の最終市場向けの欧州産業機械への発注は、2018年も増加が見込まれる。しかし設備投資が増加しても、それが継続するとは限らない。また、前回のサイクルでの過剰投資の記憶が残るなか、投資は生産性向上や小規模プロジェクトを中心に行われるだろう。

・鉱業:鉱山機械需要が改善

  18年はコモディティー価格がより高水準で相対的に安定する見通しのため、鉱山会社の利益改善が見込まれる。これを受けて欧州の鉱山機械のサプライヤーの収益改善も進むだろう。ただし前回のサイクルでの過剰投資から、鉱山会社の投資のタイミングには不透明感が残る。機械交換需要と投資先の絞り込みにより、足元では掘削機などの上流の工程機械サプライヤーへの注文が急増している。これらの装置への投資は、破砕機など下流の工程機械への投資より1年程度後れて発生するため、18年は上流工程機械サプライヤーに追い風が吹く見通しだ。

  
  Parker Bay 露天掘りマイニング機械インデックス

  関連企業:上流工程装置サプライヤーのアトラスコプコやサンドビックは、露天および坑内向け掘削機械を専門としている。下流工程向けでは、オートテック、メッツォ、FLスミスが破砕機や研磨機、ろ過装置などを製造する。

・燃料:上流工程向け機械サプライヤーは引き続き石油回復の波に乗る

  上流工程の石油採掘機械サプライヤーでは、17年上期が振るわなかったベース効果から、18年上期にかけて引き続き受注が増加するだろう。米国でシェール需要が回復し石油採掘活動が抑えられたが、受注増加率は17年上期の平均をなお10ポイントほど上回る見通しだ。これに加え、ポンプや鋼管など、シェール向けの比率が高い産業機械の平均価格が上昇し、売上高増加に貢献するだろう。18年には石油の需給が均衡に向かい、新たなプロジェクト開始の引き金となるかもしれない。そうなれば、下流工程向け産業装置の見通しにも改善が見られるだろう。

  
  シェール以外の燃料への設備投資は18年も横ばいか

  関連企業:上工程の産業機械サプライヤーとして、ウィヤー・グループ、バローレックが挙げられる。下工程向けでは、スルザーケムテック、ロトルクコントロールズ、メッツォがバルブやポンプに特化している。

・電力・ガス:発電機械サプライヤーを取り巻く環境は依然厳しい

  18年は、再生可能エネルギーへの構造的シフトという逆風下、発電ならびに送配電セクター向けの欧州産業機械・装置サプライヤーの売上高に一段と下押し圧力がかかるだろう。再生可能エネルギーの送配電需要が増加して小規模発電所の需要が喚起されるなか、シーメンスは構造的シフトをいち早くとらえて事業展開している。バルチラなど、この分野向けサプライヤーの受注は回復基調にある。ABBやプリズミアンも再生可能エネルギーの成長を受けた増収が見込めるが、大型送電設備は受注が安定しない上、リードタイムが長い。

  
  ガスタービン市場の需要(台数)

  シーメンスの17年度(17年9月期)のパワー&ガス事業の売上高構成比は18%だった。バルチラのエネルギー関連製品の売上構成比は30%だが、うち25%程度は設置済みエンジンへのサービスである。ABBの送電部門の売上構成比は約33%である。

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