11月貿易収支は6カ月連続黒字、中国向け輸出が過去最大を記録

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  • 前年同月比22.6%減の1134億円の貿易黒字-前月は2846億円の黒字
  • 世界的な需要を受けた輸出の底堅さ確認-伊藤忠経済研究所の武田氏
Photographer: Kiyoshi Ota

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、11月速報で6カ月連続の黒字となった。市場予想は上回った。財務省が18日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は前年同月比22.6%減の1134億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は400億円の赤字、同日発表前)、黒字幅は2カ月連続で縮小-前月は2846億円の黒字
  • 輸出は16.2%増(予想は14.7%増)の6兆9204億円と12カ月連続の増加-前月は14%増
  • 輸出数量指数は5.5%増と10カ月連続の増加
  • 輸入は17.2%増(予想は18%増)の6兆8071億円と11カ月連続の増加-前月は18.9%増





背景

  好調な海外経済にけん引され、輸出を中心に景気は堅調に推移している。政府の11月の月例経済報告は、景気は「緩やかな回復基調が続いている」との判断を6カ月連続で据え置いた。輸出はアジアや米国向けを中心に「持ち直している」とし、輸入は「持ち直しの動きに足踏みが見られる」としている。
  
  内閣府が8日発表した7-9月期の実質国内総生産(GDP、改定値)は速報値から上方修正され、年率2.5%増を記録。外需や設備投資が寄与し、7期連続のプラス成長となった。輸出は1.5%増と2期ぶりに増加。輸入は1.6%減だった。

エコノミストの見方

  • 伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は電話取材で「世界的な需要を受けた輸出の底堅い状態が続いていることが確認できた」と指摘。「輸入も拡大しているため、貿易黒字もそこまで拡大していない。基調としては前月とあまり変わらないが、良い部分がより際立っている」との見方を示した。
  • SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、発表後のリポートで「黒字確保は明確はポジティブ・サプライズ」とした上で、「世界経済の拡大に伴う需要増加及び輸出競争力を阻害しない為替水準が貢献し、日本の輸出は10ー12月期も増加基調を維持する」と予想した。丸山氏は、11月は祝日が多く輸出が数量面で減りやすいことから赤字を予想していた。

詳細

  • 中国への輸出は過去最大の1兆3797億円、液晶デバイスなどの半導体等製造装置が68.9%増
  • 中国からの輸入は11月として過去最大の1兆8107億円、新型アイフォーン発売で通信機が46.9%増
  • 米国向け自動車輸出は3.1%増、数量は2.7%減少も円安で価格に反映
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加して更新します.)
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