【起債評価】待ったかいあった1bp、運用難象徴のクレセゾン債

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  • 同年限・格付け・額の日立キャピタル債より利率高く、需要倍率4倍
  • 需要や投資家意向を映した先行プラス1bpは投資妙味あると投資家

先行案件よりも1bp高い表面利率を付けたクレディセゾン3年債に、発行額の4倍に相当する投資家の資金が集まった。歴史的な低金利下での運用難を象徴する案件になった。

  クレセゾン債300億円(格付けR&IでA+)の発行条件は12日、利率0.09%で決まった。主幹事によると、年金を扱う投信投資顧問や信託銀行を中心に約1200億円の需要が集まった。同じ年限・格付け・額で11月末に起債した日立キャピタル債の利率は0.08%で、需要倍率は発行額の1.8倍だった。年間で最も起債額が多く需給が軟化しがちな12月だが、利率水準が低く1bpの違いが需要の大きな差を生んだ。

  日本銀行の社債買い入れ(日銀トレード)狙いに加えて、運用残高の積み上げが遅れている複数の投資家も12月以降、余資運用で3年債を購入している。クレセゾンに先行した銘柄の最終需要も、0.04%のホンダファイナンスは1.7倍、0.05%の大和ハウス工業が2.2倍、0.06%のコニカミノルタは発行額が100億円と少なく4.6倍に達した。クレセゾンは発行が大きく倍率も高く、投資家の運用難を端的に示している。

  クレセゾン債を購入したある投資家は、先行案件を買おうと考えたとしながら、需要の衰えや投資家の意向が反映された先行プラス1bpは投資妙味があり待ったかいがあったと語った。別の金融機関の債券運用担当者は0.09%の利率について、クレセゾンを含むA格以上の銘柄は日銀トレードで利益が確保できるため、官製相場で適正水準を失い正当性を説明するのは難しいと話した。

需要調査

  事前聞き取りで主幹事は、11月の日立キャピ債などを参考に、0.0%台後半から0.10%程度の参考水準を提示して投資家の目線を探った。需要調査で日立キャピ債と同じ利率に抵抗感を示す投資家が確認されたため、週明け11日にレンジを0.09%に絞り込み、発行額を100億円程度から300億円に増額した。

  クレディセゾン財務部の青海隆史・課長は増額について「本年度の資金調達計画に基いて発行額の上限が300億円だった」と話す。また、「当初から増額を視野に入れていたが、需要がどの程度あるのか想定が難しく100億円程度から開始した」と語った。

投資家中央投資家(85%)地方投資家(15%)
3年債生保、損保、信託、投信投資顧問、中央公的地銀、系統下部、諸法人
需要調査のレンジ推移(発行額、億円)
12月6日ソフトヒアリング(100程度)
12月7日0.08%ー0.10%
12月8日0.09%ー0.10%
12月11日0.09%     (300)
(第5、6段落を追加しました.)
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