【日本株週間展望】上昇、世界経済堅調が手掛かり-米税制成立に注目

  • 米税制改正法案の年内期限が22日に迫る、成立なら一段高
  • クリスマスや年末休暇で売買低調、ボラティリティー高まりやすい

Pedestrians waiting to cross a road are reflected in an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

12月3週(18-22日)の日本株相場は緩やかな上昇が見込まれる。米欧を中心に経済の拡大が確認され買い安心感が広がっている。ただ、米国では税制改正法案の年内成立に向けてトランプ大統領に送付する期限の22日が迫っており、結果次第で大きく変動する可能性がある。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が13日に発表した2018年の経済成長率見通しは2.5%と、前回の2.1%から上方修正され、経済活動が底堅く拡大していることが確認された。14日の欧州中央銀行(ECB)理事会でも、ユーロ圏内の経済成長予想は2.3%に上方修正された。堅調な世界経済を背景に企業業績期待が高まる。

東証内

Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  国内では18日に11月の貿易収支が発表される。市場予想は2650億円の黒字で、6カ月連続の黒字が見込まれている。20、21日に開かれる日本銀行の金融政策決定会合も焦点の一つ。黒田東彦総裁は先月、行き過ぎた低金利が金融仲介機能を阻害し緩和効果をそぐ可能性のある「リバーサル・レート」のリスクに言及した。金融緩和を見直すとの思惑が出ていることに対して、総裁が会見でどう説明するかが注目される。

  アジアでは、18日から中国で来年の経済政策を決める中央経済工作会議が開かれる。足元の中国経済は堅調だが、金融市場のリスクを抑制するために規制強化に動けば、世界の株式相場に影響を与えそう。また、海外勢を中心にクリスマスや年末休暇に入る投資家が徐々に増え、売買高が低調になる。このため「ちょっとしたことにも反応しやすくなり、値動きが荒くなる可能性がある」と大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは指摘する。第2週の日経平均は前週末に比べて1.1%下落して2万2553円22銭。

  • 【市場関係者の見方】

JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「中国で11月の輸入の伸びが加速しており、日本の貿易統計では半導体製造装置などの好調が確認され、半導体や精密機械などハイテク関連銘柄が上昇する。日銀会合で政策変更はないだろう。『リバーサル・レート』が一人歩きし、そろそろ金利引き上げとの思惑が一部にあるようだが、黒田総裁はその火消しにあたるとみられ、円高回避につながる。市場は米税制改正が22日までに成立するか見守っており、成立なら米株高とドル高になり日本株の上昇圧力となる。半面、先送りの場合はアラバマ州の上院補欠選挙の影響もあり成立の不透明感が強まる」

大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジスト
  「米国、欧州を中心に経済成長が続いていることから買い安心感が広がる、米国は株高による資産効果で小売りが好調、住宅着工件数や中古販売の予想は弱含みでもハリケーン需要の反動減であり、心配することはない。トランプ大統領がサインし米税制改正法案が成立すれば、もう一段の株高が期待できる、先送りの場合はがっかりし下げ材料。年末年始のリスクは中国で、銅市況の軟調が経済悪化を暗示している、金融引き締めの強化が明らかになれば、中国不安が台頭し、良好な市場センチメントに冷や水を浴びせかねない」

岡三証券の阿部健児チーフストラテジスト
  「米国は来年に法人減税が実施されれば税制改革法案の成立が年内でも来年でも本質的な問題ではなく、年内成立の可能性低下で株価が下がりすぎた分、反発するだろう。今月前半の半導体サイクル終了との悲観論が後退しつつある半導体株に資金が戻り、楽天の携帯事業参入で大きく売られた通信セクターも見直し買いを誘う。日銀会合は無風とみるが、イールド・カーブ・コントロールの緩和やETF買い入れ減額の示唆があれば相場を押し下げるだろう」

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