【債券週間展望】利回り曲線フラット化か、超長期需給引き締まり観測

  • 需給不安なくカーブはフラットニングしやすい-三菱UFJ信託銀
  • 日銀オペ減額に警戒感持ちながらも相場なお強い-SMBC日興

12月第3週(18日-22日)の債券市場では利回り曲線にフラット(平たん)化圧力がかかりやすいと予想されている。主要な国債入札が予定されていない中、日本銀行による国債買い入れオペが月末にかけて集中する超長期債を中心に需給が引き締まりやすいとの観測が背景にある。

  長期金利の指標となる10年物国債利回りは0.05%で週明け11日の取引を開始。その後は0.045%まで低下した。5年債入札や20年債入札が順調となったことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースの加速観測が醸成されなかったことなどを背景に米長期金利が低下したことを受けた。15日には一時0.055%まで売られたが、再び0.045%に戻した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「月内は大きめの入札が終了して需給不安がない上、超長期ゾーンのオペが多いこともあり、カーブはフラットニングしやすいイメージがある」と指摘。「日本銀行の金融政策決定会合では今のところ政策が維持されるという見方が強いとみられるが、黒田東彦総裁の続投とその後の政策動向が焦点になってくる」と言う。

  日銀が公表した12月の国債買い入れオペの運営方針によると、18日に残存期間1年超5年以下と5年超10年以下、20日には1-5年と10年超を対象にオペが実施される見通し。一方、国債入札は19、22日に流動性供給入札が予定されている。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

日銀会合

  日銀は20、21日の日程で金融政策決定会合を開く。市場では今回会合での政策変更を見込む声が聞かれない中、会合後の記者会見では黒田総裁が11月にスイスでの講演で言及したリバーサルレート論などに関する見解が注目されそうだ。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀会合は無風とみる。株高が一服している中でETF(指数連動型上場投資信託)購入を減額するとは考えにくい」と指摘。また、「黒田総裁らが金利コントロール策の微調整を巡る思惑の火消しに動いた後だけに、憶測を再燃させるような発言は出てこないのではないか」とみる。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 年末に向けて需給をテーマに相場は底堅い。投資家が動かず日銀だけが買い続ければ2年以外の新発債入札がない中でどちらかと言えばタイトになる方向
  • 足元の利回り水準では上値を買う人もいないが、悪材料が出ても売る人がいない
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.07%

  
◎SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト

  • 超長期ゾーンの金利低下が行き過ぎると日銀がオペの減額に動く可能性高まるが、警戒感を持ちながらも相場はなお強い
  • 新発債が日銀オペの対象となり売りが意識されやすい時間帯、金利低下も限られるだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.055%

  
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長

  • 供給よりはオペの支えが強いイメージ、基本的にYCCが効いてしまって相場はがちがち
  • 米税制改革の行方などを見極めつつリスクオンに流れる可能性残る。その場合はやや売られるリスクも
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.07%  

*T

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