日本株は連日安、米税制不透明と円高-通信は大幅続落、景気敏感も

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  • 米共和党の上院議員、条件付きで税制改革法案に反対
  • 足元の日米景況感は堅調、日経平均は一時プラス浮上場面
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15日の東京株式相場は連日の下落。米国の税制改革動向に不透明感が浮上、為替の円高推移も投資家心理の重しとなった。楽天の携帯電話事業参入による競争激化懸念が増幅され、KDDIなど情報・通信株が大幅続落。自動車や海運、鉄鋼株など景気敏感セクターも安い。

  TOPIXの終値は前日比14.67ポイント(0.8%)安の1793.47と3日続落、日経平均株価は141円23銭(0.6%)安の2万2553円22銭と4日続落。

  しんきんアセットマネジメント投信の山下智巳主任ファンドマネージャーは、「ECBとFOMCの金融政策はタカ派にならず、ドル安・円高に振れたことがセンチメントを低下させた」と指摘。ただし、日本銀行がけさ発表した企業短期経済観測調査(短観)の足元の数字は良く、米国の小売売上高も好調など「景気が失速して売られているわけではない。上昇トレンドの中の一時的な調整」と受け止めている。

Traders work on the floor of the Tokyo Stock Exchange in Tokyo.

Photographer: Andy Rain/Bloomberg News

  欧州中央銀行(ECB)は14日の定例理事会で、政策金利を据え置き、債券購入終了後も相当期間、金利が現行水準にとどまると発表。来年1月から量的緩和(QE)の月購入額を300億ユーロ(約4兆円)とし、少なくとも9月末まで継続するとあらためて表明、金融緩和の縮小をゆっくり進める方針を確認した。

  13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で来年3回の利上げを予想するドットチャートが維持されたこともあり、欧米の金融引き締めピッチ加速の可能性が後退、14日の米10年債利回りはほぼ横ばい、きょうのドル・円は一時1ドル=112円10銭台と、前日の日本株終了時点112円57銭からドル安・円高方向に振れた。

  また、共和党のルビオ上院議員は14日、子供税額控除額の拡大を認めないなら、税制改革法案に反対すると上院指導部に伝えたと同議員のスポークスマンが明らかにした。法案可決を確実とするには、共和党は上院の造反議員を2人以内に抑える必要がある。同日の米国株は、S&P500種株価指数が0.4%安と続落。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「税制改革への否定的意見が出て、期待がしぼんだ」と言う。

  週末の日本株は通信などの主導で下落して始まり、日経平均は午前の取引で一時216円安まで下げ幅を拡大。午後に入ると先物主導で下げ渋り、一時プラス圏に浮上する場面もあった。岡三証券の阿部健児チーフストラテジストは、「日銀の買いが入ったとみられる。他の投資家も日銀の買いに追随した部分があったのではないか」と話していた。

  また、日米景気の足元の堅調も一方的に売り圧力が高まらなかった要因の一つ。米商務省が14日に発表した11月の小売売上高は前月比0.8%増と、市場予想の中央値(0.3%増)を上回り、日銀短観12月調査では大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス25と5期連続で改善、11年ぶりの水準に上昇した。一方、先行きはプラス19と悪化が見込まれている。

  東証1部33業種は情報・通信、海運、電気・ガス、その他金融、鉄鋼、不動産、陸運、銀行、輸送用機器など27業種が下落。上昇は水産・農林、空運、小売など6業種。売買代金上位では、クレディ・スイス証券が携帯事業参入時に営業赤字となる公算が大きいと指摘した楽天が大幅続落。ドイツ証券が投資判断を「売り」に下げたKDDIとNTTドコモも大きく下げた。半面、ロシア事業を強化するSBIホールディングスが大幅高。黒鉛電極を値上げする東海カーボンをはじめ、昭和電工、日本カーボンの関連銘柄は軒並み急騰した。

  • 東証1部の売買高は18億4421万株、売買代金は3兆3300億円、代金は5営業日ぶりの3兆円乗せで、前日から25%増加
  • 値上がり銘柄数は629、値下がりは1343
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