FRB議長から投資家へ、イールドカーブの平たん化は恐るるに足らず

  • 利回り曲線はこの10年で最も平たん化、一部投資家は景気減速を警戒
  • イエレン氏、「相関は因果関係ではない」とアドバイス

FRBのイエレン議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は米国債イールドカーブ(利回り曲線)のフラット化に睡眠を邪魔されるような人ではない。

  イールドカーブがこの10年で最も平たん化したことで、一部の投資家からは迫り来る景気減速を警戒する声が出始めている。過去7回の景気後退局面ではいずれも、先行して米国債の長短利回り格差(スプレッド)がゼロを下回った。FRB議長として予定された最後の記者会見でイエレン氏は、長短利回りの逆転と景気減速の関係を認めたものの、トレーダーに対しては「相関は因果関係ではない」というアドバイスを送った。
  

イエレンFRB議長の記者会見

(出所:Bloomberg)

  イエレン議長は「イールドカーブはこれまでよりもフラット化する公算が大きい」と指摘した。同議長は過去50年間にわたりほぼ全ての期間でプラスだったものの、このところマイナス圏で推移する「タームプレミアム」に言及。タームプレミアムのマイナスは、利回りの上昇につながるような差し迫ったリスクを投資家が予想していないことを示唆している。

  同議長は「過去にイールドカーブが逆転した際、それは長期にわたって短期金利が期待値の平均を大きく上回ることを意味した」と説明。「通常それは金融政策が制約的であることを意味しているが、時には相当制約的であることを示している」と述べた。ただ現在は、「当局が政策スタンスを若干引き締め方向に動かすだけで、イールドカーブはより簡単に逆転し得る」との認識を示した。

  その上で同議長は、市場参加者はフラット化傾向を景気減速の予兆として懸念はしておらず、景気後退の可能性は低いとみているとし 、「私もその判断に同調したい」と述べた。

  BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン、アーロン・コーリ両ストラテジストはイエレン議長会見後に執筆したリポートで、「FRBは最近のタームプレミアムの低下を特に気にしていない」と指摘。「インフレがイールドカーブのスティープ化に欠けている一つの要素であると考えるなら、2017年の残りの期間にこの仮説を試す機会が訪れる公算は小さい」と述べた。

原題:Yellen Tells Investors Not to Fear the Flattening Yield Curve(抜粋)

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