日銀短観:大企業・製造業DIプラス25、11年ぶり-5期連続改善

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  • 非製造業はプラス23と横ばい、予想はプラス24
  • 先行きは製造業がプラス19、非製造業はプラス20と悪化を見込む

Pedestrians cross a road in front of the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、12月調査)の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は5期連続で改善し、11年ぶりの水準まで上昇した。堅調な世界経済を背景とした企業業績の好調が景況感を押し上げた。

キーポイント

  • 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス25と前回調査から3ポイント改善、2006年12月以来の水準ーブルームバーグ調査の予想はプラス24
  • 非製造業はプラス23と横ばい-予想はプラス24
  • 先行きは製造業がプラス19、非製造業はプラス20と悪化を見込む
  • 2017年度の為替想定は1ドル=110円18銭と前回調査(109円29銭)から円安方向に設定


背景

  7-9月期の実質国内総生産(GDP)は設備投資や外需の好調を背景に7期連続のプラス成長となった。8日発表の改定値は前期比0.6%増、年率2.5%増と速報値(それぞれ0.3%増、1.4%増)から上方修正された。設備投資が1.1%増と速報値(0.2%増)から引き上げられたことが主因で、市場予想も上回った。

  日銀は10月の展望リポートで、景気は先行き「緩やかな拡大を続ける」との見通しを維持。リスクバランスも、「下振れリスクが大きい」から「おおむね上下にバランスしている」に引き上げた。黒田東彦総裁は7日の講演で、日本経済は外需と内需、民需と公需といった複数の柱によって支えられており、「外的なショックに対して頑健である」と述べた。

エコノミストの見方

  • ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンの取材で、短観は市場の「期待に沿った内容」となり、「全体的に日本経済は順調に回復している」と述べた。景気は過熱も停滞もしておらず「想定を超えた企業収益が続くには、適した環境だ」と分析している。
  • 大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは電話取材で、雇用は一段と逼迫(ひっぱく)しており、「ある程度、日銀が示している労働市場の逼迫で賃金が上昇するという期待を強めるような内容とはいえる」と話した。ただ労働需給の引き締まりにも関わらず、中小企業・非製造業の設備投資の伸びは小幅にとどまったとみている。
  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストはリポートで、「企業部門のコンディションが足元で極めて良好であることを、改めて確認する内容になった」と指摘。「世界同時好況や為替相場安定を演出しているのはカネ余りに支えられた米国株の高値」だとし、相場が崩れれば状況は大きく変わり得るとの見方を示した。

詳細

  • 中小企業・製造業DIのプラス15は6期連続の改善で1991年8月以来の水準
  • 中小企業・非製造業のプラス9は6期連続の改善で91年11月調査以来の水準
  • 大企業の売上高経常利益率は製造業(6.99%)、非製造業(4.53%)ともに過去最高
  • 雇用人員判断DIは大企業・全産業のマイナス19が92年2月以来、中小企業・全産業のマイナス34が91年11月以来、全規模・全産業のマイナス31が92年2月以来の不足超幅
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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