日本株続落、FOMC後の米金利低下で金融安い-楽天参入受け通信も

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  • 米当局は金利誘導目標を引き上げ、来年3回の利上げ予測を維持
  • 共和党は上下院の税制改革案の一本化で暫定合意、上昇業種が多い
Bloomberg

14日の東京株式相場は続落。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や物価上昇の鈍さを受け、米国の長期金利が低下したことが嫌気された。保険、銀行株など金融セクターが東証1部33業種の下落率上位を占有。楽天の携帯電話事業参入で、競争激化が懸念された情報・通信株も安い。

  TOPIXの終値は前日比2.70ポイント(0.1%)安の1808.14と続落。日経平均株価は63円62銭(0.3%)安の2万2694円45銭と3日連続で下げた。

  ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長は、「FOMCメンバーによる米国経済に対する慎重な見方で、減税期待やハリケーン復興需要で下駄を履いていた分の見直しが入っている」と指摘。市場では来年3回の米利上げ、日本銀行の金融緩和継続による円安シナリオから日本株の先高予測があるが、「逆に米国は3回の利上げができず、日銀は金融緩和から脱却し、円高になる可能性がある。今の市場は能天気で、地政学リスクや日銀のイベントリスクが全く反映されていない」とし、相場は「ピークを付けつつある」との認識を示した。

東証アローズ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  FOMCは12、13日に開いた定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、1.25-1.5%のレンジに設定した。2018年については、経済成長予測を上方修正したが、3回の利上げ予測は維持。声明では、「労働市場の指標ややや一層力強さを増すと見込んでいる」との文言が削除され、労働市場の改善ペースが鈍化する可能性を示唆した。

  米労働省が13日に発表にした11月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.4%上昇と前月の0.1%上昇から伸びが加速した半面、食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.1%上昇、前年比で1.7%上昇と市場予想をともに0.1ポイント下回った。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「FOMCのインフレ見通しが変わらなかったほか、コアCPIも伸びが鈍化し、利上げを正当化する理由のはしごを外された感じだ」と言う。来年の利上げ見通しは3回に据え置かれたが、「ドットチャートの分布は少し上がった印象がある」ため、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長になるパウエル新体制を見極めたいとした。

  13日の米10年債利回りは2.34%と6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。きょうのドル・円は1ドル=112円50銭台と、前日の日本株終値時点の113円32銭からはドル安・円高方向に振れた。米長期金利の低下や為替動向が嫌気され、きょうの日本株は金融中心に売りが先行。主要株価指数はプラス圏に浮上する場面もあったが、午後はやや下げを広げ、日経平均は一時100円以上安くなった。指数押し下げ要因となったのがソフトバンクグループやKDDI、NTTドコモなど通信株。楽天が携帯キャリア事業に新規参入、19年中にサービスを開始する方針を表明し、競争激化が懸念された。投資負担が警戒された楽天も下落。

  ただ、米共和党が上下院の税制改革法案の一本化で暫定合意したことなどは投資家心理面でプラスに作用、一方的な売り圧力は高まらず、大引けにかけては下げ渋った。東証1部33業種は保険、銀行、情報・通信、その他製品、海運、空運、その他金融、電気・ガスなど13業種が下落。上昇はパルプ・紙、石油・石炭製品、金属製品、不動産、建設、化学、医薬品など20業種。

  売買代金上位では任天堂や三菱UFJフィナンシャル・グループ、SOMPOホールディングスが安い。広島高等裁判所の伊方原子力発電所3号機の運転差し止めを命じる仮処分決定に対し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が一段の株安、再稼働遅れによる経常利益押し下げの可能性を指摘した四国電力は大幅続落。これに対し、トヨタ自動車と車載用電池事業で協業を検討するパナソニックは高く、前日に東証1部に新規上場したSGホールディングスは大幅に続伸、一時2200円と公開価格に対する上昇率は3割を超えた。

  • 東証1部の売買高は16億6682万株、売買代金は2兆6593億円
  • 値上がり銘柄数は1362、値下がりは606
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