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来年もドル安は止まらない、トレーダーは海外の景気や金融政策に注目

  • 今年のドルは過去10年で最低のパフォーマンスになる見通し
  • ドルは対ユーロや円で一段安の可能性、日欧の金融政策がカタリスト
100 U.S. dollar bank notes

100 U.S. dollar bank notes

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
100 U.S. dollar bank notes
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

ドルにとって2017年はここまで散々な年だったが、来年はもっとひどい年になるかもしれない。

  最近の相場反発にもかかわらず、アナリストや投資家はドルがユーロや円に対して一段と下落する可能性があるとみている。米国が政策金利を引き上げても海外の力強い経済成長や金融引き締め見通しで相殺されるとの見立てだ。今年のドルは主要通貨に対してここまで7%余り下落し、この10年で最大の下落率となっている。
 
  運用資産約7700億ドル(約87兆3000億円)のUBSアセット・マネジメントで資産配分責任者を務めるエリン・ブラウン氏は、欧州や新興市場をはじめ世界で見られる経済成長によって「ドルは再び売られる公算が大きい」と指摘。欧州や日本の中央銀行がどう動くかについては「ほとんど織り込まれていない」と語った。
    

Dollar Disconnect

  ブラウン氏によると、ユーロは18年に1ユーロ=1.30ドルに達する可能性がある。これは対ドルで10.7%の上昇余地を表している。今年のユーロの対ドル上昇率はここまで約12%。同氏はまた、円の対ドル上昇も予想する。

  為替トレーダーは今年、米当局の金融引き締め観測を受けて金利先物スワップが急上昇したにもかかわらずドルを売り、ユーロと円を買った。今や市場参加者の多くは、米連邦準備制度の金融引き締めサイクルは終わりに近づいているとみていて、関心は欧州中央銀行(ECB)や日本銀行に移っている。18年の世界経済は成長率が3.7%に加速し、7年ぶりの高水準になる見通し。
          

Dollar's Big Slump

「相当弱い」

  BNPパリバの北米FX戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏は「私が話をした人のほとんどは、来年末までにドルが相当弱くなってもそれほど驚かないだろう」と語った。

  実際に先物市場ではヘッジファンドや運用会社がユーロに対し強気のポジションを積み上げており、ネットベースで6年ぶりの高水準に迫っている。

  円について市場参加者はユーロほど確信は持っていないものの、ドイツ銀行の為替調査グローバル共同責任者、アラン・ラスキン氏は、日銀が長短金利操作の目標を修正すれば大きく変動する可能性が高まるとみている。実際に円は極端に安いため、日銀が動けば「急反転する恐れがある」と同氏は述べた。
         

Euro Climbs

       
  もっともドルの弱気派も、トランプ米政権による減税が来年上期にドルを刺激する可能性は十分あり得ると認めている。ただ、米当局が利上げを継続してもその勢いが下期まで続くとみる向きは少ない。アナリストは、来年末までにドルが世界の主要16通貨のうち13通貨に対して下落すると予想している。
        
原題:After Stunning Rout, Traders See No End to Dollar Pain in 2018(抜粋)
  

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