佐川急便のSGHD、初値は公開価格比17%高-ことし最大IPO

訂正済み
  • 宅配事業では収益性重視、海外で展開する企業向け物流に強み
  • 初値は想定より強め、中長期では2000円めど-日本アジア証

A Sagawa Express Co. truck drives past the SG Holdings Co. Tokyo offices at night in Tokyo, Japan.

 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

宅配便の佐川急便を傘下に置くSGホールディングスが13日、新規株式公開(IPO)で東京証券取引所1部に上場した。買い気配で始まり、午前9時30分すぎに1900円で売買が成立、初値は公開価格1620円に対し17%高となった。

配送準備中の佐川急便荷物

Photographer: Noriyuki Aida/Bloomberg

  初値に基づく時価総額は約6084億円と、2017年のIPOでは3月に東証1部へ再上場した回転ずしチェーンのスシローグローバルホールディングスを上回りトップ。TOPIX構成銘柄で232番目の大きさとなっている。株価は一時20%上昇後、18%高の1906円で取引を終えた。

SGホールディングス・栗和田会長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは、東証1部への直接上場であることを踏まえると、初値は想定より強めに決まった印象だと指摘。IPO市場が活況で投資家の関心が高いという好環境に加え、「海外展開する企業物流など同社の強みが評価された格好だ、株価は中長期で2000円まで上昇するとの見方は変わらない」とも話した。

  SGHDは京都ー大阪間を結ぶ飛脚業として1957年に創業。2017年3月期の売上高は9303億円で、日本通運の1兆8643億円、ヤマトホールディングスの1兆4669億円に次いで物流業界3位。宅配便を扱うデリバリー事業、海外や企業向け物流を含むロジスティクス事業などを手掛ける。主力のデリバリー事業では収益性重視で通販大手アマゾン・ドット・コムとの契約を解消したほか、16年3月には日立物流と資本業務提携。アジアの総合物流企業を目指し、経営統合も視野に入る。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は「企業物流や国際物流に伸びしろがある。急成長はないけれども、値上げとか物流の増加などで当面、事業環境は悪くないと思っている」として、「来期に向けて、増益基調は続いていくだろう」と予想。株価の1900円までの上昇は「織り込んでしまっているので、それを上回るような業績見通しが出てくれば、もう少し高いプライシングになると思う。19年3月期がどうなるかだ」と付け加えた。
  
  SGHDの18年3月期の売上高計画は前期比7.5%増の1兆円、営業利益は17%増の580億円、営業利益率は5.8%の見通し。1株利益106.31円、配当32円を見込む。初値を基準にした予想PERは約18倍、配当利回りは1.68%となる。競合各社のブルームバーグ・データによる予想PERは、ヤマトHDが約52倍、日通は約16倍。

SGホールディングス・町田社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  今回のIPOでSGHDはオーバーアロットメントの部分を除き、市場から約1160億円を集めた。大型物流施設の新設など設備投資に充てる資金を確保したほか、株式上場を通じて企業プレゼンスを高め人材確保につなげる狙いもある。

  同社の町田公志社長は東証で会見し、上場することで「社会インフラを担う企業としてきちんと社会から認知され、優秀な人材が集まるような企業になりたい」と述べた。ドライバーなどの人材不足を解消するため、「多様な働き方ができる職場をつくることが解決策のひとつ」と指摘。「より多くのメニューを用意することに取り組みたい」とも話した。

(写真のキャプション部分を訂正します.)
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