27年の服役終えて実感するタイトな労働市場-FOMC、13日政策発表

ニューヨークに住むマイケル・ジトーさん(57)は、今年7月に幸運にもビルのメンテナンス職に就くことができた。同氏はかつて妻と同居していたブルックリンのアパートに侵入して妻を殴った知人を殺害した罪で27年間服役し、昨年12月に出所していた。

 1920年代に建てられたビルで旧式のエレベーターを管理するジトーさんは、時給11ドル(約1250円)を受け取る。「賃金は低いが、給料をもらえるのはうれしい」と語った。出所するまでは携帯電話も使ったことはなく、もちろんコンピューターのスキルもない。家もなく親族もいないジトーさんが定職につけたのも、タイトな労働市場のお陰だ。

  ジトーさんの社会復帰で浮き彫りになった労働市場の強さを巡り、ジェローム・パウエル氏が議長に就任する2018年の連邦準備制度理事会(FRB)でも謎が残る。今週の連邦公開市場委員会(FOMC)では、緩やかな利上げを続けていくことがまた議題になるが、とりわけゆっくりとしたペースで進めたいとの意見が出ることも考えられる。

マイケル・ジトーさん

撮影:Jeanna Smialek / Bloomberg

  その一方でパウエル氏とFOMCメンバーらは、インフレ率の上振れと金融の安定が揺らぐリスクに備えておきたいとも考える。いずれかが手に負えなくなれば、もっと積極的な金融引き締めを余儀なくされ、労働市場にかろうじて参加している労働者にとって状況が厳しくなりかねない。その間に立たされ、パウエル氏率いるFOMCは中道を選び、借り入れコストを辛抱強く引き上げていくことを選択する可能性が高い。

  パウエル氏は11月に行った上院銀行委員会での証言で、「景気の過熱感とか、労働市場の強いひっ迫感はない」と発言。「回復を維持する最善の方法は、現在の段階的な利上げ軌道を継続することだと考える」と述べた。上院が承認すれば、パウエル氏は来年2月3日に任期が終了するイエレン議長の後任に就く。

  今年最後のFOMCは12-13日の日程で開かれている。13日には金利引き上げを発表すると広く予想されている。FOMCは9月会合の時点で、2018年に3回の利上げがあると予想。今回の発表でもこの予想を維持するとみられている。

原題:Hired After 27 Years Behind Bars Shows Fed’s Tough Choice (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE