中国レバレッジ縮小、来年の実体経済に痛み引き起こす6つのルート

  • 流動性が絞られることでインフラ建設ペースが来年減速する公算
  • 企業の資金調達コストが全般的に上昇し、事業拡大投資は縮小も

中国が進めている全面的なレバレッジ解消の取り組みは、このままいけば来年、一層の痛みを引き起こす。

  当局は金融市場での資金調達をタイトにし、過剰な借り入れの抑制を図っているが、インフラや不動産の投資には打撃となる公算が大きい。また企業の資金調達コスト急上昇は、事業拡大の支障になりかねない。

  以下の6つのチャートは、レバレッジ縮小が経済への圧力となる可能性を示す。

  中国人民銀行(中央銀行)が流動性を絞ると、政府や企業は道路や鉄道、他のインフラの建設意欲を低下させる。景気拡大を支える主要な要素となるこうしたインフラの建設ペースは来年減速し、経済成長への重しになると予想される。

  銀行がくしゃみをすると、真っ先に風邪をひくのは不動産開発会社であることが多い。不動産は昨年の固定資産投資全体の17%を占めた。不動産セクターは鉄鋼やセメント、掘削機、ブルドーザーのメーカーや不動産代理店と相互に密接につながっている。

  2017年の社債発行は今のペースでいけば4年ぶりの減少となる。利回り急上昇で起債コストが押し上げられた。DBS銀行(香港)のエコノミスト、ネイサン・チョウ氏は銀行が貸し出しの基準金利に上乗せ金利を課す公算が大きく、企業の資金調達コストは全般的に上昇すると予想。企業が行う事業拡大投資が鈍る可能性を指摘した。

  流動性の逼迫(ひっぱく)感が強まる中、短期金融市場の7日物レポ金利や譲渡性預金(CD)の利回りは上がっており、銀行の資金調達コストも上昇している。チョウ氏は銀行は利益を出し続けるため、特に中小の民営企業向けの貸出金利を引き上げる必要があると指摘。これも企業の資金調達コストを押し上げる。

  政策銀行である国家開発銀行の債券の国債に対する上乗せ利回りが先月、急拡大して1ポイントを超えた。レバレッジ縮小キャンペーンと流動性逼迫化への懸念が、国家開発銀の債券下落を引き起こした。政策銀行は預金でなく市場から資金を調達するため、その与信を巡る状況は一段と厳しくなっている。政策銀行の資金は都市のスラム街の再開発から現代版シルクロード構想である「一帯一路」のプロジェクトまで、あらゆる分野に行き渡っているため経済成長の足かせとなる可能性がある。

  金融サービス業界が中国の国内総生産(GDP)に占める比率は約8%だが、このセクターは借り入れ抑制の影響を最も直接的に受ける。銀行や証券会社は債券や株式の発行で手数料を得るためだ。交銀国際の洪灏チーフストラテジストは、レバレッジ縮小キャンペーンが与信の伸びを妨げ金利が高止まりする中で、中国株は来年の大半、現行水準を下回って推移すると予想している。金融サービス業界の経済成長への寄与が影響を受けることになる。

原題:How China’s Debt Curbs Could Start Weighing on the Economy (1)(抜粋)

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