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リニア建設不正受注か、東京地検が大林組を捜索、他社も聴取

更新日時
  • 大林組「捜査に全面的に協力」、名古屋の「名城非常口」巡り不正か
  • 旧来からの不正体質が露呈との声も、大林組は7%、鹿島は4%安

大林組は11日、東京地検特捜部から偽計業務妨害被疑事件で8日に捜索を受けたと発表した。関連して同業他社の鹿島でも社員が任意の事情聴取を受けた。日本の大手ゼネコンは過去にも談合事件などを繰り返しており、市場からは不正体質を懸念する声も聞かれた。

  JR東海が発注したリニア中央新幹線関連工事で入札妨害をした疑いがあるとして同特捜部は大林組本社(東京都)を家宅捜索。副社長のほか別工事を受注した鹿島などの担当者からも任意で事情聴取した、と11日までに共同通信は報じた。事故や火災の際の「名城非常口」(名古屋市)新設工事での不正行為が疑われている。

Central Japan Railway Co. L0 Series Magnetic Levitation Train Test Ride

JR東海のリニアモーターカー

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  大林組は開示資料で「捜査に全面的に協力してまいります」とコメント。鹿島広報室の藤野敦次長は「社員が大林組の案件について東京地検特捜部から任意で事情聴取されたのは事実」と述べた。リニア中央新幹線の建設は9兆円規模の巨大プロジェクト。

  11日のゼネコン株は相場全体が堅調な中で下落。大林組は前営業日比7.2%安の1381円と14年2月以来の下落率となった。鹿島は同4.1%安の1139円。SBI証券の雨宮京子シニア・マーケットアドバイザーは「大林組の声明がきょう午前と遅すぎた」ほか、鹿島など事件の業界全体への拡大懸念も下落の背景にあると指摘した。

悪しき日本の古い体質

  また雨宮氏は、この事件は国内建設市場回復前の厳しい時期のもので、「リニアという大型長期工事をなんとしても取りたいと勇み足となった可能性もある」と指摘。「悪しき日本の古い体質がまだまだ残っていることを証明したようなもので、外国人投資家などはゼネコン関連から再び資金を引き揚げる可能性もある」と述べた。

  大手ゼネコンを巡っては1990年代に建設受注での談合事件が社会問題化。検察の摘発などを受け一時は沈静化したが、2007年には名古屋市発注の市営地下鉄工事入札で談合が発覚。大林組、鹿島、清水建設、前田建設工業、奥村組の大手ゼネコン5社が最長9カ月間の指名停止処分を受けるなど不正体質があらためて露呈した。

  JR東海広報担当の仁野慎也氏は「報道には大変驚いている、事実関係についてはまだ把握できていない部分もあり、今後は大林組に丁寧に説明を求めていきたい」とコメントした。仁野氏によると大林組はリニア関連工事でJR東海から計4件の工事を受注している。原則個別工事の建設費は公表していないという。

  中央リニアは東京-大阪間を時速約500キロ、約1時間7分で結ぶ計画。工事は15年に始まり、27年に東京-名古屋を先行開業した後、45年には東京-大阪の開業を計画している。費用は車両費を含め概算約9兆300億円で、政府の財政投融資を活用することなどにより東京ー大阪の最大8年間の運行前倒しも目指している。

(11日配信の記事で鹿島の株価下落率の過去比較を訂正しました.)
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