ソフトバンクファンドに強力な後ろ盾、汚職摘発主導のサウジ皇太子

Saudi Crown Prince Mohammed bin Salman and Masayoshi Son in Riyadh, on October 24, 2017.

Photographer: Fayez Nureldine/AFP via Getty Images
Photographer: Fayez Nureldine/AFP via Getty Images

ソフトバンクグループをテクノロジー分野で世界最大の投資家にするという孫正義社長の夢は、サウジアラビアを同社の巨大ファンドの主要投資家として迎え入れたことで実現に近づきつつあるようだ。

  サウジは、ソフトバンクが企業買収を加速させる目的で設立した1000億ドル規模のビジョンファンド(SVF)の最大の投資家で、約450億ドルをコミットしている。同国では11月4日に王族や官僚などの一斉汚職摘発が行われたが、主導したのはSVFの後ろ盾となったムハンマド・ビン・サルマン皇太子で、同皇太子の権力は強まりつつあるとされる。ソフトバンクの孫正義社長は、汚職摘発について「ファンドはサウジ中枢との提携のため、全く影響ない」と2日後の6日の会見で語っている。

  SVFを手にしたことで、孫社長もテクノロジー分野の投資家としてさらなる影響力の強化を目指している。注目するのは人工知能やモノとモノがつながるIoT関連だ。SVFはこれまでに少なくとも930億ドルを調達。内訳はサウジのほかソフトバンク自身が280億ドル、それ以外の投資家が200億ドルとなっている。

  日本コムジェストのポートフォリオ・アドバイザー、リチャード・ケイ氏は、ムハンマド皇太子は「孫社長の友人」で、SVFを通じてサウジの石油依存脱却を進めようとしており、同皇太子が権力を強めていることは注目すべきだとの見方を示した。コムジェストはソフトバンク株約1億6500万ドル相当を保有している。

  BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは、「投資にお金を回す余裕のあるサウジは、第2、第3のビジョンファンドのスポンサーになり得る」と語った。

  また、日本格付研究所(JCR)の本西明久チーフ・アナリストは「いろいろごたごたがあるということで、何かしらのリスクがソフトバンクに及ぶ可能性はないのか、という発想は出てくる」と話す。ただ、SVFの投資の価値が高まってソフトバンクの負債軽減につながれば、信用力にとってはポジティブだとした。

  ソフトバンク広報担当の倉野充裕氏は、サウジ政局変動の同社への影響についてコメントを控えた。

 

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