宇宙旅行に行きたいのなら、まずは稼ごう-体を鍛えるのはその次

  • 新人「宇宙飛行士」の大半はリッチな中年以上の人たちの可能性
  • 一般人が宇宙に行っても「大半の人は大丈夫だろう」との研究も

ジェフ・ベゾス氏やリチャード・ブランソン氏、イーロン・マスク氏のような「スペース億万長者」は、いずれは人類が複数の惑星で暮らすようになると想像している。だがその前に宇宙の観光旅行が実現しそうだ。

ブルー・オリジン機内

出所:ブルー・オリジン

  大金を支払えば、観光のため宇宙に旅立てる時代が来そうだ。ブルー・オリジンやヴァージン・ギャラクティック、スペースXが提供する宇宙旅行は将来的に、今のニューヨークからシカゴへの旅客機での移動と同じような旅になると考えられている。マスク氏らは地球上の2地点を結ぶ極超音速フライト構想も打ち出している。

  これまで宇宙を旅した600人足らずの人々は、米航空宇宙局(NASA)などの訓練を受けた宇宙飛行士が大半で、ほとんどが公務員だ。米政府は宇宙計画に振り向ける予算が十分でないことから、民間企業による宇宙船開発を奨励するため幅広い裁量を与えている。議会は企業が独自のメディカル検査とトレーニングのやり方を考案することを認めている。

イラスト:Benedikt Luft

  民間の宇宙旅行が計画通りに進めば、毎年かなり多くの新人「宇宙飛行士」が生まれることになる。その大半がリッチな中年あるいはもっと年上の人だろう。NASAを介さないロケット旅行という環境の下での一般人の健康状態を巡る研究も進んでいる。

  顧客向けに準軌道フライトを来年始めるかもしれないヴァージン・ギャラクティックのジェームズ・バンデルプローグ最高医療責任者(CMO)は、研究を始めた10年前は一般人が宇宙に行けるか「かなり懐疑的」だったと述べた上で、遠心分離機を使いあらゆる年齢層の人々を対象に極端な重力ストレスを課す研究を何年も続けた結果、「大半の人が大丈夫だろうということが分かった」と語る。

ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船

写真家:Virgin Galactic

  こうした新しいタイプの旅では飛行中に起こり得る心臓発作や脳卒中が、一般的に懸念される病気だろう。米国の有人宇宙飛行に関する記録は、ロケット搭乗中の死亡確率が民間旅客機搭乗時の1万倍である可能性を示しており、身体リスクは明白だ。だがそれにもかかわらず、宇宙旅行者にとって真の危険は決して肉体ではないとの研究報告もある。

  血圧や心臓病は記録して対処できる一方、新米の宇宙飛行士にとってもっと大きな問題は不安から生じるものかもしれない。軍人を含めたプロの宇宙飛行士は総合的な心理テストを受けている。20分の宇宙旅行であっても乗客の1人がパニックに陥れば、乗り合わせた全員に深刻な影響が及ぶ恐れもある。

  フライト前の顧客訓練で宇宙旅行を提供する各社は、搭乗予定者を恐らく注意深く観察する必要があるだろう。ヴァージン・ギャラクティックはニューメキシコ州の「スペースポート・アメリカ」で3日間のトレーニングを行うとみられる。

  アマゾン・ドット・コム創業者のベゾス氏が支援するブルー・オリジンはウェストテキサスから打ち上げる「ニュー・シェパード」で11分のフライトを計画。運賃や開始時期はまだ明らかにしていないが、ベゾス氏らは打ち上げ施設での約1日半の顧客トレーニングで乗船時の問題を回避できると自信を示している。

イラスト:Benedikt Luft

原題:You Only Have to Be Rich, Not Healthy, to Get a Ticket to Space(抜粋)

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