【先週の新興市場】ブラジル・レアル下落、年金改革の混迷が重し

更新日時
  • レアルは下落、年金改革に関する下院採決が延期
  • トルコ・リラは上昇、中銀が金利を高水準に維持すると表明

12月8日終了週の新興市場では、株価と通貨がいずれも下落し、10月下旬以降で初の2週連続安となった。米税制改革案の前進を背景にドルは上昇した。大半の新興国の株価指標は値下がり。

  MSCI新興国通貨指数は週間ベースで10月27日終了週以来の大幅安。新興市場の株価指標は一時2カ月ぶり安値をつけた。新興市場のドル建て債を追跡するブルームバーグ・バークレイズの指数はほぼ変わらず。

主なニュース:

  • ブルームバーグ・ドル・スポット指数は週間でほぼ1年ぶりの大幅上昇。米上下両院が期間2週間の暫定予算案を可決し、政府機関閉鎖は回避
  • トランプ米大統領はエルサレムをイスラエルの首都と認め、テルアビブから在イスラエル米大使館を移転する手続きを開始すると宣言。マレーシアやインドネシア、トルコなどが一斉に反発
  • 11月のトルコCPIは市場予想以上に加速し、前年比12.98%上昇と2003年以来の高い伸びとなった。リラ安やエネルギー高、食品コストなどを反映。トルコ中銀はインフレ見通しが目標範囲に収まるまでタイトな金融政策を維持し、必要に応じて一段と引き締める方針を表明
  • ブラジル中央銀行は政策金利を0.5ポイント引き下げ、過去最低の7%とすることを決定。次回政策委員会で緩和のペースを落とすことを同時に示唆した
  • ブラジル政府は年金改革法案に関する下院の採決を延期。法案可決に必要な308票を確保できていないため

アジア:

  • 韓国ウォンはアジアの新興国通貨で下落率トップ。米韓両空軍は4日、朝鮮半島で5日間にわたる合同軍事演習を開始した
  • 中国の輸出は11月に予想外の大幅な伸びを示した。外需が引き続き底堅かった。一方、輸入も着実な伸びとなった。輸出はドルベースで前年同月比12.3%増。輸入は同17.7%増

EMEA:

  • トルコ・リラは2%上昇し、今週の上昇率トップ。エルドアン大統領は資産の国外持ち出しに関する先の発言を明確にし、トルコは「自由市場経済」であり資本フローを制限しないと話した
  • 南ア・ランドは上昇率2位。政治的懸念が後退した。同国のラマポーザ副大統領はアフリカ民族会議(ANC)支部の大半からズマ大統領の後任としてANCの次期議長(党首)に推薦された。ただ、今月の議長選で勝利する保証はない

中南米:

  • ブラジル・レアルは下落。年金改革案を巡る政治的不透明感が特に重しになった。テメル大統領は8日、下院での採決が12月18日か19日に実施されると明らかにした
  • メキシコ・ペソは1.5%超下げ、新興国通貨で下落率トップ。ブルームバーグ・ドル・スポット指数の上昇に反応した。同国の駐米大使がNAFTA存続の確率は「五分五分」と発言したこともセンチメントを悪化させた

今週のデータ:

12月11日  トルコ7-9月GDP、経常収支
12日 インド11月のCPI、10月の鉱工業生産
ロシア10月の貿易収支
南ア、メキシコ10月の鉱工業生産
13日 南ア11月のCPI、10月の小売売上高
ブラジル10月の小売売上高
14日 トルコ、インドネシア、メキシコ金融政策決定
中国11月の小売売上高、固定資産投資、鉱工業生産
南ア7-9月の経常収支
15日 ロシア金融政策決定
インドネシア11月の貿易収支

原題:EM Review: Brazil Pension Mess Weighs on Real as Turkey Rebounds(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE