【日本株週間展望】上昇、日米経済指標と緩やかな米利上げで景気期待

  • FOMCは利上げを決定へ、焦点は来年3回の利上げ予想の維持
  • 日銀短観では企業の景況感改善を確認、機械受注も前月比増加見込み

12月2週(11-15日)の日本株相場は、米税制改革の進展や堅調な経済指標を背景に上昇する見通し。米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が12、13日に開かれ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを引き上げるとみられている。緩やかな利上げの方向性も確認され、為替がドル高円安に振れて日経平均株価は終値で1992年1月以来となる2万3000円台を試す公算がある。

  前回のFOMC議事録によると、出席者の多くが近い将来の利上げは適切だと判断した。その後発表された経済統計も景気の堅調さを示し、金利先物が織り込む今回会合での利上げ確率は98%に達している。市場では来年の利上げ見通しは年3回が据え置かれるとの見方が大勢で、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が緩やかな利上げを追認する姿勢を示せば、株式市場に買い安心感が広がる。

街中の株価ボード前の男性

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米国では13日に消費者物価指数、14日に小売売上高、国内では13日に機械受注、15日に日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、12月調査)が発表される。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「ブラックフライデーや年末商戦の出だしは良かった。雇用環境を考えると小売売上高も堅調な数字になるだろう」とみている。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によれば、短観の大企業・製造業の業況判断DIはプラス24と前回から2ポイント改善する見込みで、日米ともに堅調な経済指標が株価の押し上げ要因になりそうだ。

  ただ、これまで上値を買っていた海外勢が3週連続で売り越しており、上値を買い進む動きは想定しにくい。中国の金融引き締め懸念から中国株安や資源安が加速する懸念も残っており、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、日経平均は終値ベースで約26年ぶりの「2万3000円付近で売り圧力が高まる」と予想する。第1週の日経平均は前週末に比べ0.03%下落し2万2811円08銭。

  • 市場関係者の見方

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
  「米国はブラックフライデーや年末商戦も割と良い出足、今の雇用環境をみると14日発表の米小売売上高は堅調、15日の日銀短観も失望する形にはならず株価を押し上げる。12、13日のFOMCで来年の米利上げ見通しが前回と変わらず3回となれば、市場の安心感につながる。好調な国内の企業業績からすると、今の日経平均はPER14倍台と割安、フェアバリューは15倍台で、今の円安水準なら16倍を目指してもおかしくない。日銀は2日に1回のペースでETFを購入、下がっても戻る流れとなろう。日経平均の予想レンジは2万2500ー2万3300円」

三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  「FOMCで来年3回の利上げに変更がなく、イエレンFRB議長の発言で引き続き緩やかな利上げペースが確認されれば、為替はドル高・円安方向で推移し、日本株の支えになりそう。米経済指標で底堅い消費と緩やかな物価上昇が確認できそうで、米金利は緩やかに上昇、日銀短観も企業の景況感の改善傾向が確認できる数値となり好材料が相次ぐだろう。日経平均はいったん高値に挑戦するものの、中国の金融引き締め懸念から中国株安や資源安が加速する懸念が残る上、海外勢の売り越しが目立つため、2万3000円付近では売り圧力に押される」

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「日本株は乱れかけた状態からやや落ち着いてきたが、相場の方向感が出るのはまだ先。米国の税制改革法案のすり合わせはこれからで、法案が明確化し、景気が加速するかどうかの方向性が見えてくるまでは動きづらい。中国経済は住宅バブルの中で少し引き締め方向にあり、加速局面の中で踊り場に来ている。地政学リスクや金属市況には注意が必要だが、それが米国株に波及し、リスクオフにはなっておらず、日本株も下がる場面では買い戻しを誘いやすい」

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