円が全面安、リスク選好でドル・円は約3週間ぶり113円台半ば

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  • 米つなぎ予算可決や政策期待、英離脱交渉進展観測が背景
  • 米雇用統計下振れならむしろドル・円の買い場になりそう-CIBC
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

東京外国為替市場では円が全面安。米国でのつなぎ予算可決や政策期待、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の進展観測を背景にリスク選好の流れが強まり、ドル・円は約3週間ぶりとなる1ドル=113円台半ばまで値を切り上げた。

  8日午後3時31分現在のドル・円は前日比0.3%高の1ドル=113円43銭。米長期金利や欧米株の上昇を背景にドル高・円安が進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、一時113円44銭と11月15日以来の水準をつけた。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「今までトランプ政権の選挙公約の成果がほとんどなかったのが、ここにきて年末ということもあり、ようやく動き出したという感じはある」と指摘。「インフラ投資の話しかり、税制改革法案しかり、少し良い方向に前進しているのがマーケット全体の雰囲気を良くしているのだろう」と話した。

  米上下両院は7日、期間2週間の暫定予算案を可決し、今週の政府機関閉鎖を回避した。米議会は法案成立に伴い、今月22日まで歳出や法案に関するより大きな問題に取り組む。また各議員は休暇入り前に税制改革法案の一本化を急ぐことになる。 

トランプ大統領のインフラ計画についてはこちらをご覧ください

  ブルームバーグのエコノミスト調査によると、この日発表される11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万5000人増が見込まれている。10月は26万1000人増だった。また、注目の平均時給は前年同月比2.7%上昇と10月の同2.4%上昇から伸びが加速すると予想されている。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、米雇用統計が予想通りかそれ以上であれば、ドル・円の押し上げ要因になると予想。「予想比下振れでも基調は変わらず、むしろドル・円の買い場になりそうだ」とし、113円前半の一目均衡表の雲の上限を突破できれば「来週にかけて113円から115円ゾーンを抜けていく動きも期待される」と語った。

  ドルは対ユーロで1ユーロ=1.1756ドルと約2週間ぶりの高値を更新。オーストラリア・ドルに対しては一時1豪ドル=0.7500ドル付近まで上昇し、6月以来の高値を塗り替えた。

  一方、ポンドは前日に続き全面高となり、対円では昨年6月以来となる1ポンド=153円台へ上昇した。メイ英首相と、EU離脱交渉を主導するデービスEU離脱担当相は8日早朝にブリュッセルに向かった。アイルランド国境を巡り英国とEUが合意に近づいていることを示す兆候と受け止められている。

離脱交渉を巡る動きについてはこちらをご覧ください。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストはリポートで、日本時間午後3時50分に発表が予定されているトゥスクEU大統領の英国のEU離脱についての声明が前向きなものとなれば、「対ポンドでの円売りを通じてドル・円やクロス円が全体的に強含む期待はある」と解説。「逆に期待が後退すれば円安の巻き戻しは相応に強いものになりそう」と指摘した。  

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