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バフェット氏、明確な後継者はただ1人-分割から守る防波堤の役割に

  • 取締役会は後継者を既に指名、バフェット氏は名前明かさず
  • 「比較的若く冷静で決断力があり、社に全てをささげる」人物が条件

バークシャー・ハサウェイの会長兼最高経営責任者(CEO)で資産家のウォーレン・バフェット氏(87)の後継者を巡っては、数十年にわたり臆測が続いている。メディアは何度となく候補者を取り上げたが、候補とされた人物はいずれもバークシャーを退社した。

  バークシャーは自動車保険のガイコ、鉄道会社のバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)、下着メーカーのフルート・オブ・ザ・ルーム、食品小売りのデイリー・クイーン、電池メーカーのデュラセルなど数十社を傘下に置くほか、アップルやコカ・コーラなど優良銘柄の株式を大量に保有する。

  バフェット氏ならではの異色の組み合わせだが、同氏が5月の株主総会で認めたように「分割の臆測がある」。全体としてよりも分かれた方が価値が高いと考える投資家もいるためだ。これを望まない同氏は、死後にもバークシャーの解体が実現しないよう家族や友人らが運営する慈善団体に自らのバークシャー保有株を譲渡する計画だ。さらにバークシャーの次期最高経営責任者(CEO)となる後継者が、解体への防波堤になる。

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アジット・ジェイン氏

Photographer: Nati Harnik/AP

  バフェット氏は取締役会が後継者を指名したと認めているものの、これまで名前を明かしたことはなく、業界で最もうまく保たれている秘密の1つとされる。ただ、バフェット氏は2015年に株主に対する書簡で次期CEOを社内から登用したい意向を示し、10年以上にわたりCEOを務めてもらいたいため「比較的若く」、「理性的で冷静、決断力があり」、エゴや大金に動かされることなくバークシャーに「全てを捧げる」人物がふさわしいと条件を挙げた。

  一方、チャーリー・マンガー副会長はバークシャーが公開した書簡で、アジット・ジェイン、グレッグ・アベル両氏をバークシャーが誇る「世界をリードする」マネジャーのかがみだと称賛し、ある意味ではバフェット氏よりも優れていると評価した。この書簡から、後継者は両氏のうちいずれかで、それ以外ではないと考えることが理にかなうだろう。

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グレッグ・アベル氏

Photographer: Nati Harnik/AP

  両氏ともバフェット氏が挙げた多くの条件を満たす。効率と長期的思考を重んじるバークシャーの企業文化に深く傾倒し、性格的な欠点も見当たらない。

  両氏の大きな違いは年齢で、ジェイン氏は66歳、アベル氏は55歳。最近ジェイン氏と時間を共にした関係者によると、同氏は業務に支障を来しかねない健康問題も抱えているという。ジェイン氏は保険事業で経歴を築いてきたが、バークシャーにとって同事業の重要度は低下してきている。これに対し、アベル氏は今後も成長が見込まれるエネルギー事業の拡大に尽力してきた。

  こうした理由からバークシャーの投資家や関係者は後継者をアベル氏とみており、9月に同社のカバレッジを開始したJPモルガンのサラ・デウィット氏はアベル氏が後継者となる「公算が最も大きい」と指摘した。アベル氏はコメントを控えた。ジェイン氏、バフェット氏はコメントの要請に応じていない。

原題:Buffett Has Only One Heir Apparent Left After Decades of Hinting(抜粋)

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