世界の首脳らがトランプ氏を非難、エルサレムのイスラエル首都認定で

  • パレスチナのアッバス議長:過激派組織を助長し宗教戦争招く
  • サウジやカタールなど中東諸国や欧州も相次ぎ批判

トランプ大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

トランプ米大統領が6日、エルサレムをイスラエルの首都と認めて米大使館を移転することを決断したことに世界の指導者らは相次いで失望感を示した。今回の動きが新たな暴動を引き起こし、イスラエルとパレスチナの紛争解決の希望を葬り去ることになるとの懸念が広がっている。

  トランプ大統領は6日にホワイトハウスで「エルサレムをイスラエルの首都と正式認定する時だ」と述べ、在イスラエル米大使館をエルサレムに移転するプロセスに着手すると表明した。この発表後間もなく、イスラエルのネタニヤフ首相は「歴史的な一日」だと歓迎しトランプ氏に「深く感謝する」と述べたが、パレスチナ自治政府など中東や欧州の政治家からは反発の声が相次いだ。

  パレスチナ自治政府のアッバス議長はテレビ演説で、トランプ大統領の動きが過激派組織を助長し、地域を「終わりなき宗教戦争」に引き込むと指摘。パレスチナ解放機構(PLO)のアリカット事務局長は、今回の措置で交渉の扉が閉ざされたと述べ、「和平プロセスで米国が役割を果たす資格をトランプ大統領は奪った」と批判した。

  サウジアラビアとエジプト、ヨルダン、イランも米国の動きを非難した。ニュースサイトによると、ヨルダンの首都アンマンなどでは街頭デモが行われた。国連のグテレス事務総長は、一方的措置が和平を台無しにするとして反対を表明した。カタールのタミム首長はトランプ大統領に対し、エルサレムをイスラエルの首都と宣言すれば中東の安定を損なうと伝えたと、アルジャジーラは報じた。

  7日の国営サウジ通信(SPA)によると、サウジは「トランプ政権が今回の措置を取ったことを非難し、深い遺憾の念を表明する。エルサレムのパレスチナ人の歴史的・恒久的権利に対する大きな偏見を映している」と指摘し、米政府がこの措置を覆すことを希望するとコメントした。

  フランスのマクロン大統領は訪問先のアルジェで記者団に対し、この決定は「国際法の全てのルールに違反する」と指摘。イタリアのジェンティローニ首相はエルサレムの将来は和平プロセスの枠組みの中で定義されるべきだとツイートした。

  東エルサレムにはユダヤ教とキリスト教、イスラム教の聖地があり、パレスチナ自治政府は将来の独立国家の首都と位置付けているだけに、エルサレムをイスラエルの首都と認めることは宗教や政治への影響が大きい。米国の歴代大統領はそうした動きを取れば、エルサレムの最終的な地位を予断していると捉えられかねず、激しい反発を招き、イスラム圏の同盟国を遠ざけ、和平努力をさらに損なう恐れがあるとして行動を見合わせていた。

原題:World Leaders Condemn Trump Jerusalem Move, Warn of Violence (2)(抜粋)

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