【インサイト】発行市場が活況、社債発行額は16年の最高記録を更新

今年も残り6週間となったが、足元の信用スプレッドは過去10年の最低水準となり、ドル建て高格付け社債の発行額は2016年に記録した過去最高の1兆3470億ドルを上回っている。政策金利が低水準に抑えられる中で利回りを求める投資家の需要が増大し、発行額は4年連続で過去最高を記録した。

・11月前半は高格付け社債発行が増加

  11月前半のドル建て高格付け社債の発行額が820億ドルに達した。これは、感謝祭の祝日の影響で営業日が少ない11月の典型的な1カ月間分に匹敵する。ブルームバーグ・バークレイズ米国投資適格社債インデックスのオプション調整後スプレッドに基づけば、足元の信用スプレッドは94ベーシスポイント(bp)と、過去10年で最低だった今年10月末の水準を8bp上回るにとどまり、良好な市場環境が続いている。

  関連企業:11月はオラクルの社債発行額が最も多く、A1/ AA- / A+格付け社債の発行額が100億ドルとなった。 金融機関ではBNPが最も多く、シニア債およびジュニア債(劣後債)を合わせた発行額は22億5000万ドルだった。

ドル建て高格付け社債発行額の月次推移

・高格付け社債の発行額は過去最高を更新

  年初から11月16日までのドル建て高格付け社債発行額は1兆3510億ドルに達し、16年の最高記録をすでに上回っている。政策金利が低く抑えられ、世界の投資家が利回りを社債発行に求める中、4年連続での最高記録更新となった。しかし18年もこの勢いが続くとは考えにくい。M&A案件が細り、中央銀行の金融緩和も縮小傾向に転じる見通しであることから、社債発行市場は沈静化する可能性が高い。

  関連企業:金融以外のセクターで17年の高格付け社債発行額が最も多かったのは、AT&T、アップル、ブロードコムである。金融セクターでは、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーがリードしている。

ドル建て高格付け社債の発行額の年次推移

・テクノロジーと高格付け社債が投資適格社債の発行市場をリード

  高格付け非金融企業のうち11月の発行額が最も多かったのはオラクルで、発行額は100億ドルだった。これにより、テクノロジーセクターが17年の社債発行額に占める割合は16%と、ブルームバーグ・バークレイズ米国投資適格社債インデックス(除 金融)の13%を上回った。年初来、社債市場全般に比べて発行市場での取引が最も活況だったのは一般消費財セクターだった。一方、ヘルスケアおよびエネルギーセクターはインデックスを約4%下回った。

  ジョンソン・エンド・ジョンソンのAAA格付社債45億ドルを含め、11月発行の社債のうちA以上の格付けは約68%と、既発行社債インデックスの46%を上回る。今年に入って発行された社債の約54%がA以上の格付けを取得している。

セクター別の社債発行額と既発行社債インデックスの比較

・金融セクターの債権発行額は前年同期比9%増

  11月16日時点の金融セクターの米ドル建て国内債権発行額は180億ドルに達した。これは、過去12年間のデータに基づく11月の発行額の中央値である360億ドルに沿う発行ペースでだ。17年は、米国の巨大銀行(G-SIBs)の持ち株会社が総損失吸収能力(TLAC)基準を満たすために社債発行を増やしたことで、16年の同月を約9%上回るペースで発行額が増えている。

  ブルームバーグ・バークレイズ米国総合金融債権インデックスの平均スプレッドに基づけば、金融セクターのドル建て債権の信用スプレッドは10月24日に過去10年で最低の86bpを記録した後、足元では8bp拡大して94bpとなっている。

金融セクターのドル建て債権発行額は前年同期を9%上回る(17年1月1日ー11月16日)

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Active Primary as Corporate Issuance Volume Tops 2016 High Mark

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