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北朝鮮が核実験を近く実施する兆候、どうやって見極めるのか

  • わずかな変化が見逃せず、衛星写真の質が極めて重要-文化的知識も
  • 日本政府が資金提供のセンサー、地下バンカー三次元画像作成に助力

北朝鮮が9月3日に過去最大となる爆発規模250キロトンの核実験を実施した時、ジョゼフ・バミューデス氏は驚かなかった。

  バミューデス氏は長年にわたり、平壌から約9650キロ離れた米コロラド州で北朝鮮の核実験場を観察してきた。同氏と同僚は2月から、実験用の地下バンカーにつながる3本の主要坑道の1つで活動を確認していた。わずかな変化が見逃せないという。

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  ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)の北朝鮮分析ウェブサイト「38ノース」で分析結果を執筆するバミューデス氏は、北朝鮮が「核実験を実施することは年初に分かっていた」と話す。 「通常は実験前に坑道で追加の掘削が行われることをわれわれは確認している。より多くの機器が搬入され、動き回る人も増える」と述べた。

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  専門家が注視しているのは、平壌の北東にある豊渓里(プンゲリ)核実験場だ。北朝鮮の過去6回全ての核実験が実施されたこの場所には、地下実験のための「事実上無限のスペース」があり、花こう岩の岩盤は大規模な爆発を封じ込めるのに理想的だと、ミドルベリー国際大学院モントレー校の東アジア不拡散プログラムディレクター、ジェフリー・ルイス氏は指摘する。

  時間をかけて調べると、豊渓里での正常または疑わしい活動の実態が浮かび上がる。不吉な兆候の一つは、慌ただしい動きが急停止することだ。車両や軍隊、労働者が撤退し、現場は「整然とした」ように見える。

  38ノースの防衛技術専門家ジャック・リウ氏は「これは準備が整い、あとは待つだけだということを示していることが多い」と分析する。

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  北朝鮮ウォッチャーにとって衛星写真の質は極めて重要だ。民間企業に可能な最高の解像度は1ピクセル当たり30センチで、建物や道路、軍装備品、車両の色は識別できるが、人間の顔が分かるほど詳細ではない。

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  一部の衛星の特殊センサーは、より詳細な画像を描き出している。ミドルベリー国際大学院のルイス氏のチームは、米航空宇宙局(NASA)の衛星に搭載されている日本政府が資金提供しているセンサーの助けを借りて地下バンカーの三次元画像を作成した。

  分析専門家は北朝鮮の文化や学術論文、体制のプロパガンダの意味合いに関し、長年にわたり培った専門知識も頼りだ。ルイス氏は、「何らかの文化的知識がなければ、衛星画像もデータも全く意味を成さないというのが、誰にも言えない分析の秘密だ」と語る。

  ただ、いつ核実験が実施されるか正確に予測するのは不可能だ。38ノースのマネジングエディター、ジェニー・タウン氏は「それは精密科学ではない」と指摘する。また、北朝鮮政府もカムフラージュ用の塗料とネットやおとりを使ったり、夜に建設工事を行ったりするなどして、準備の動きを隠す取り組みを強化している。

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  それでも、隠しきれないことはある。9月の核実験から数日後に撮影された写真では、まだ使われていないトンネルでの活動再開が示された。新たな核実験の準備に関連している可能性がある。

  ルイス氏によると、以上から結論として言えるのは、豊渓里では常に核実験の準備が行われているということだ。これはトランプ米大統領の警告にもかかわらず、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が何としてでも核実験を継続する方針であることを示している。

  一方、北朝鮮が11月29日に行った新たな大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射を踏まえ、ルイス氏は米国全土がすでに射程に入ったとみる。「あのミサイルは十分な高度と距離を飛行」しており、米国に向けられていれば、トランプ大統領がフロリダ州に所有するリゾート「マールアラーゴに命中した可能性もある」と話した。

  同氏はさらに、北朝鮮の「プログラムをストップさせることができたのは10-15年前で、今では遅過ぎる。彼らは米国を狙うことができるICBMに熱核兵器を搭載することになるだろう」との見方を示した。

原題:How to Tell If North Korea Is About to Test a Nuclear Bomb(抜粋)

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