米税制改革法案:資産運用会社や銀行、テクノロジーが勝ち組か

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

前週末に米上院で可決された税制改革法案は、銀行や資産運用会社などの業界の利益を押し上げる可能性がある。一方で、再生可能エネルギーなどの企業は圧迫されそうだ。

  法案には依然として修正が加えられる可能性があるものの、法人税率を現在の35%から20%に引き下げ、外国で稼いだ多額の利益を低税率で本国に還流できるという点が法案の柱だ。

  この法案が施行された場合の各業界への影響をまとめた。

カウエン・リサーチ・グループのマネジング・ディレクター、ジャレット・サイバーグ氏が、米国の税制改革法案を分析

(出所:Bloomberg)

資産運用会社

  先週の株式市場で、米国を拠点とする資産運用会社の株価は税制改革への楽観から過去最高値に上昇した。フェデレーテッド・インベスターズ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)、フランクリン・リソーシズなどが上昇率の上位を占めた。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、資産運用会社が支払っている法人税率は概して30-35%に上る。いくつかの控除が適用される他の業種に比べて高く、税制改革による恩恵が大きいと評価された。さらに個人への減税で投資信託などへの資金流入増加が見込まれると、ムーディーズ・インベスターズ・サービシズのシニアバイスプレジデント、ローリー・カラギー氏は述べた。

銀行

  議会での税制改革法案進展の知らせが伝わるたびに、JPモルガン・チェースやシティグループなど銀行株は上昇してきた。コンパス・ポイント・リサーチ・アンド・トレーディングの政策調査ディレクター、アイザック・ボルタンスキー氏は2日朝、上院での法案可決後に配布した電子メールで、「税制改革法案が成立すれば、銀行は最も明白に恩恵を受ける業界の1つだろう」と指摘。共和党が約束する経済成長加速が実現する場合も、融資資産の増加で利益が得られるとの見方を示した。

製薬

  医薬品やバイオテクノロジー企業は、利益を米国に還流する際に課される税率の引き下げで恩恵を受けそうだ。

  だが、この恩恵が従業員に回る公算は小さい。ファイザーやアムジェンなどの幹部は、減税で浮いた資金やキャッシュフローを自社株買いや配当で株主に還元する意向を示している。

テクノロジー

  テクノロジー業界も海外にため込んだ資金を米国に低税率で還流できる条項の恩恵を享受する見通し。ゴールドマン・サックスの見積もりによると、米企業が海外利益として留保している額は3兆1000億ドル(約350兆円)。一企業としての最大はアップルで2523億ドルに上り、同社は現金の94%を海外に置いている。ブルームバーグのデータによると、アップルに続きマイクロソフト、シスコ、アルファベット、オラクルが上位5社を占める。

再生可能エネルギー

  税制改革法案は、風力・太陽光発電業界にとって複雑だが極めて重要な資金調達源を脅かしている。それはタックス・エクイティーと呼ばれる制度だ。この制度で再生可能エネルギー開発業者は自らのプロジェクトによる税控除を銀行や保険会社に売り、資金としている。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、この市場は今年で120億ドルの規模があると見積もられる。

原題:What We Know About Corporate Winners and Losers in U.S. Tax Bill(抜粋)

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