豪ドル建て投資に陰り、豪米利回り格差縮小で―あす豪政策金利発表

  • 外貨建て投信残高シェアは過去10年で最低、ピーク時の3分の1に
  • 豪国債の買い越しは2013年以降で最低のペースに

外貨建て公募投信の通貨別構成で2位を占めるなど、国内投資家に人気のオーストラリアドル建て資産への投資に陰りが出ている。5日発表の豪中央銀行による政策金利は据え置きが予想される一方、米では月内の利上げが確実視されるなど利上げペースの違いを受けて、豪米間の利回り格差が急速に縮小していることが背景だ。

  投資信託協会によると、契約型公募投資信託の外貨建て純資産総額のうち、豪ドル建ての占める割合は2017年10月時点で9.4%と、統計で確認できる07年11月以降で最低となった。12年1月のピーク時には22.2%を占めていたことから、シェアは3分の1近くに落ち込んでいる。また、財務省が公表する対外証券投資によると、国内投資家が年初から9月までに豪国債を買い越した額は3429億円と、同期間で売り越しとなっていた13年以降で最小となった。

  ニッセイアセットマネジメント債券運用部の三浦英一郎リードポートフォリオマネジャーは、「豪経済は中銀が繰り返し利上げをするほど強くはなく、投資家は熱心にはならないだろう」と指摘する。

  豪政策金利は現時点で米国を上回るが、ブルームバーグがまとめた市場の金利見通しによると、米政策金利が18年末には2%まで上昇するのに対し、豪政策金利は1.75%にとどまる。これを受けて11月末時点の豪米間の国債利回り格差は2年物でマイナス4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、00年12月以来の逆転が起きている。

  ニッセイアセットの三浦氏は、「豪米それぞれの2年債利回りを見ると、市場は両国の金利見通しをすでに織り込んだ状態にある」と指摘。「豪は高金利であることが他の先進国に対するアドバンテージだったが、そうした優位点は薄れている」と言う。

目線は国内株式投信へ

  豪ドルに対する弱気見通しも、投資家が豪ドル建て投資をためらう理由となっている。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、「もはや豪ドルは高金利通貨とは言えない」と指摘。「リーマンショック後に豪ドルが非常に大きく上昇した通貨の一つだった。ただ、純粋に金利水準を見たときに、積極的に豪ドルを買う理由はない」とみる。

  豪ドル建て投資が細る一方、投資家の目線は国内株式に向いているようだ。投資信託協会によると、豪ドル建ての公募投信の残高は10月時点で2兆8115億円と過去1年で最低を記録、12年2月のピーク時からほぼ半減している。投資信託協会システム業務部の市倉直幸マネージャーは「金融政策を含めた政府の経済政策が投資家の間にじわりと浸透しており、相対的に国内株式投信の残高が伸びている」と言う。

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