【日本株週間展望】上値試す、米税制期待で金融買い-債務上限は注視

  • 米税制改革法案は実現に向け動き加速、米金利高・円安の可能性も
  • シティの米サプライズ指数は4年ぶり高水準、国内はメジャーSQ

12月1週(4ー8日)の日本株は米国の税制改革の進展や景気指標の堅調が好感され、続伸する見通し。米金利の上昇が支援材料になりそうな金融株が主導し、日経平均株価は終値で2万3000円を試す可能性もある。

  米税制法案は11月28日に上院予算委員会で可決し、実現に向けた動きが強まっている。上院通過後は下院法案とのすり合わせ協議か、下院での上院法案可決という新たな段階に進む。時期や細部に関する調整はなお必要だが、当初市場では法案成立は来年が有力とみられていただけに、投資家の間では進展の早さは想定以上との受け止め方が多い。法案成立なら、米景気や企業業績の改善、投資家のリスク許容度の高まりを通じ、日本株にも好影響を及ぼすとみられている。

株価ボード前の歩行者

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米国では5日に11月の供給管理協会(ISM)非製造業景況指数、8日に雇用統計が発表される。市場予想は、ISM非製造業が前月の60.1から59へ鈍化、雇用統計での非農業部門雇用者数の伸びは26万1000人から21万人への低下を見込む。ただ、ハリケーン後の復興需要も後押し、事前予想と実数値のギャップを示すシティグループ米経済サプライズ指数は約4年ぶりの高水準と米経済の実勢は極端な上振れ状態にあり、景気は底堅いと再認識する可能性もありそうだ。

  日本独自の新規の売買材料に乏しく、海外動向に一喜一憂する状況は続く公算が大きい。米テクノロジー株が足元で不安定なほか、8日に米連邦債務の法定上限適用の停止期限を迎える点は注意を要する。国内では、週末8日が先物・オプション12月限の特別清算値(SQ)算出で、先物に振られる場面も想定される。このほか、8日に7ー9月期の国内総生産(GDP)改定値や11月の景気ウオッチャー調査が公表予定。11月5週の日経平均は週間で1.2%高の2万2819円03銭と続伸した。

  • ≪市場関係者の見方≫

三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジスト
  「ポジティブな動きを予想。米税制改革は思ったより前倒しで進んでいる。来年の中間選挙を控え多少の違いを乗り越えようとの姿勢があり、年内に妥協案が可決する可能性が高まってきた。米指標はハリケーンの影響でデータが振れやすい時期に入り、トレンドが変わるほど下振れなければ、景気堅調と判断されそうだ。税制などによる景気期待を通じ米10年債利回りがじり高基調となれば、金融株にもプラスに働く。米暫定予算の期限は政権サイドの大きなミスがなければ2週間程度延長し、もう1回延長が予想されるが、状況によっては神経質になるかもしれない」

大和住銀投信投資顧問・株式運用部の小出修グループリーダー
  「もみ合いとなりそうだ。好業績を背景にした先高観はあるものの、ハイテク株のポジション調整が継続する可能性がある。これまで成長期待から買われていた半導体関連株の予想PERは約20倍と、日経平均の14倍台からみると割高感がある、ただ、業績好調は変わらないことから『ヘルシーコレクション』であり、調整が一巡すれば買いは戻る。指数を支えるのは出遅れ感があり、業績などファンダメンタルズに悪材料がない銀行など金融株になろう」

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・インベストメントマネジャー
  「緩やかに上昇するだろう。米経済が崩れる感じはせず、相場のセンチメントを支えよう。米税制改正が進展すれば、減税による景気拡張が見込まれ、日本株は間接的に恩恵を受ける。米国株は税制改正による景気拡張をある程度織り込んでおり、これ以上上がりにくい。相対的にバリュエーションの低い日本株に資金が流れそうだ。これまで相場をけん引してきた半導体や電機株の調整があっても、代わりにバリュエーションが低く放置されている金融や自動車株に物色が向かい、相場全体を支える」

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