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【インサイト】イールドカーブのフラット化は株価への懸念材料でない

この数週間イールドカーブ(利回り曲線)がフラット化(平たん化)しているが、これによる株価への影響を懸念する必要はない。過去のフラット化局面では、循環型セクターにけん引される形での株価上昇が見られた。問題となるのは逆イールドだが、それでも痛みが表出するまでには時間がかかる。

・ベアフラットニングは株価への悪材料ではない

  投資家はイールドカーブのフラット化に神経質になっているようだが、過去に照らせばフラット化局面で株価パフォーマンスは好調だ。 2016年末に利回りが上昇し始め、2年債と10年債の利回り格差は60bp(ベーシスポイント)と、07年以来の水準まで縮小した。このベアフラットニング局面でS&P500種株価指数は18%上昇した。同指数は03年から06年にかけての同局面でも40%超上昇しており、1990年以降のベアフラットニング時は平均で年12%上昇した。

  株価パフォーマンスにとって最も好ましくないのは、金利が低下してカーブが上向くブルスティープニングだ。90年以降のこの局面(90年代初頭、2000年代初頭、06年〜10年初め)では、株価が平均年11%下落した。また、2000年代初頭のブルスティープニング局面では約33%、06年から10年初めの期間は約18%株価が下げた。

S&P500種と10年債/2年債の利回りの推移

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・ベアフラットニングは最も継続期間が長い状態のひとつ

  1990年以降で継続期間が長かったのは、現在のようなベアフラットニングとブルスティープニングだ。前者は株価にとって好材料で、この時期にS&P500は平均で年約12%上昇した。一方、後者の期間には年3%下落している。 これは、業績予想に基づくブルームバーグ・インテリジェンスの投資収益予想と一致する。前回のベアフラット化局面では、1株当たり利益(EPS)の予想増加率が株価上昇率を上回り、予想基準の株価収益率(PER)の平均が低下した。

  イールドカーブが他の形状となるのは比較的短期間で、株式市場に与える影響はまちまちだ。過去の動向を見ると、株価パフォーマンスにとって最も好ましいのは長期債利回りが短期債利回りより速く上昇したときに起こるベアスティープニングで、ベアフラットニングが2番目に好ましい形状といえる。

各イールドカーブ形状におけるS&P500種のパフォーマンス(1990年以降)

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・通常はフラット化局面では景気循環株が高パフォーマンス

  ベアフラットニングを踏まえたセクター別の公式な投資戦略はないものの、単純に2年債の利回りが10年債の利回りより速く上昇する中では、景気循環株が他のディフェンシブ株をアウトパフォームする傾向がある。 1990年以降、イールドカーブのベアフラットニング局面で指標をアウトパフォームした期間が最も長かったセクターは金融、原材料、および工業だ。ただし今回は、テクノロジーセクターが株価上昇をけん引している。

  生活必需品は3つのベアフラットニング局面のいずれにおいてもS&P500種をアウトパフォームせず、またヘルスケアは平均10%弱下回っている(これらの数値には現在の局面も反映されている)。これまでブルスティープニング局面では、両セクターのパフォーマンスが最も良かった。

ベアフラットニング局面でのS&P500種セクター別株価変動

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・逆イールドの痛みは遅れて表れる

  逆イールド局面では株価パフォーマンスが悪化する傾向があるが、通常は正の位置に戻るまで痛みは顕在化しない。1998年-2001年に10年債と2年債の利回り格差がマイナスになった時期、セクターの株価サイクルは明らかに終盤にあったが、S&P500種は16%上昇した。01年1月に利回り格差(スプレッド)がプラスに転じると、その後2年間で30%下落した。次の逆イールド局面の06年-07年も同様で、S&P500種は18%上昇、07年6月からの2年間で38%下落した。

  逆イールド局面では公益事業、工業およびエネルギーセクターの株価が様々な指標をアウトパフォームしたが、生活必需品は指標をアンダーパフォームした。公益事業の平均株価上昇率は過去最高を記録した。

S&P500種 工業/生活必需品セクターと利回り格差

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Stocks Need Not Fear the Flattening Yield Curve

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