ゴールドマン持田社長、E・ジョーンズ氏とラグビーチーム経営に意欲

持田昌典社長とエディー・ジョーンズ氏の共著、「勝つための準備」

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

ゴールドマン・サックス証券の持田昌典社長は2019年のラグビーのワールドカップ開催後、エディー・ジョーンズ・イングランド代表ヘッドコーチと共同でラグビーチームを経営する、こんな思いを抱いている。

  フルバックとして学生時代に活躍した持田社長(62)は29日に発売したジョーンズ氏(57)との共著「勝つための準備」で胸の内を明らかにした。「私はエディーさんに、ぜひラグビービジネスの世界に入ってほしいと思う」、「実は私たちは、いつか二人でラグビーチームを持ち、強いチームに育てたいとよく話している。そのことを考えると、とてもワクワクする」と記している。

  ジョーンズ氏は日本代表のヘッドコーチとして活躍し、15年のワールドカップで強豪南アフリカに勝利する快挙を遂げた。16年には、指導力と多文化のチームをまとめる力が評価されゴールドマン日本のアドバイザリーボードの委員に就任、今週にはワールドラグビーの「年間最優秀コーチ」に決まった。今後はイングランド代表を19年のワールドカップ日本大会で優勝に導けるかに注目が集まる。

  ジョーンズ氏は著書で持田氏についてこう言っている。「彼は学生時代、優れたラガーマンだった。彼はラグビーをよく知り、そこでの経験をビジネスに生かしている」。そして自身について、「私がラグビーを通じて得た知恵や哲学は、ビジネスのような他分野でも有効だと思う」と語る。

  持田社長はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、「頭の中には国内、海外を含めていろいろなアイディアがある」ことを明らかにした上で、「実現するとしても19年のワールドカップの後になる。まだ時間はあるのでエディーとよく相談して決めたい」と述べた。

ノーサイド

  著書によると、持田氏は慶応義塾幼稚舎5年生の時に、部活動でラグビーを始めた。その後はラグビーに明け暮れる毎日。大学のキャンパスには4年間で40日しか行かなかったという。持田氏の人生で、決して忘れられない思い出がある。1977年元日に行われた、全国ラグビー選手権の準決勝で早稲田大学と対戦した時のことだ。

  自身も得点し、前半を「7-0」と慶応リードで終え、後半さらに「13-6」まで引き離すが、その後の早稲田の猛追撃で「13-15」と逆転負けする。「ノーサイドの笛が鳴ったとき、私はその場に呆然と立ち尽くした。しばらくして、とめどない涙が溢れてきた」という。それがラグビー人生最後の試合になった。

  そして、敗因について分析する。戦略ではない、結局始めから早稲田に勝てる自信がなかったということ。いくらリードしても、試合中選手たちは「もしかしたら、負けるのではないかという気持ちがあった。もちろん誰一人口に出す者はいないが、一緒に戦っていると、微妙な思いというのは伝わるもの」。

  これまで、98年のNTTドコモの新規株式公開(IPO)、03年の三井住友フィナンシャルグループへのゴールドマンによる1500億円の投資、16年の日本郵政グループの上場など、政府民営化案件や巨大企業の合併・買収(M&A)をバンカーとしてまとめてきた持田氏。勝つための極意について「本当に勝ちたいなら、準備と努力を重ね自信をつけるしかない」と語る。

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