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米テクノロジー株急落、金融株続伸の背景を読み解く-実効税率に格差

  • テクノロジー業界の実効税率は18.5%-セクター別で3番目の低さ
  • 銀行株に資金シフトのローテーション、6月以降にテーマ化
フェイスブックのザッカーバーグCEO

フェイスブックのザッカーバーグCEO

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg
フェイスブックのザッカーバーグCEO
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

29日の米株式市場で起きたナスダック100指数の3カ月ぶり大幅下落の理由を説明したければ、米企業が業種別で連邦政府に実際に支払う税率に注目するといい。

  テクノロジー企業にとっての問題は、実効税率が18.5%と低いことだ。S&Pグローバルのデータによると、これは米大型株を構成するセクター別で3番目の低さ。つまり、共和党の税制改革法案が議会を通過しても、それによる恩恵が比較的小さいことを意味する。

Tax Inequality

  「テクノロジー株を傷付けているのは税制法案だ」と、ノースコースト・アセット・マネジメントのトレーダー責任者、フランク・インガラ氏は指摘。「これまで良好なパフォーマンスが続いてきた銘柄があって、税率のような諸要因を考え始めるようになれば、もちろん利益確定の動きは出てくる」と述べた。

  29日の米市場では、ナスダック100指数が8月以来の急落となった一方で、金融株は続伸し、2営業日連続としては約1年ぶりの大幅上昇。年初来で急上昇しつつも同日大きく下げたエヌビディアやフェイスブックの実効税率は、ブルームバーグ調べでそれぞれ6.5%、10.1%だ。半導体メーカーの業種別指数は年初来の上昇率が40%近くに達している。

Leadership Shift

  テクノロジー銘柄から金融株への資金シフトについて、テミス・トレーディングのマネジングディレクター、マーク・ケプナー氏は「このローテーションはテクノロジーセクターのファンダメンタルズとは関係ない。ただ、投資家はこう自問している。テクノロジーは年初から素晴らしく上げてきたが、税制改革から恩恵を受けるのはどのセクターなのか?」と語った。1月から年金資金が流入するとの期待で金融株が買われた季節的要因もあると付け加えた。

  また、市場では6月から銀行株上昇がテーマとして繰り返し浮上する。S&P500金融株指数は29日までの2日間で計4.4%上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されているパウエル理事は28日の上院銀行委員会での指名承認公聴会で、金融規制の一部緩和に前向きと受け止められる姿勢を示唆した。一方、国内事業中心の銘柄が多いため米税制改革への市場期待が反映されるラッセル2000指数も続伸し、2日間で1.9%値上がりした。

  FBBキャピタル・パートナーズの調査ディレクター、マイク・ベイリー氏は「テクノロジーvs金融、それとも大型株vs小型株か?ここでは重複するテーマが多そうだ」と電話で話した上で、税制改革が29日の相場を動かした唯一の要因でもなければ、法人減税が確約されたわけでもないが、「周辺部分で金融株を支援、テクノロジーにはマイナスに働いている可能性がある」と述べた。

原題:Tech Takes Lumps as Traders Eye Tax Benefits That Lie Elsewhere (抜粋)

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