北朝鮮の「ICBM級」ミサイル、核開発前進を示唆-米東部も射程か
Kanga Kong-
米国の東海岸の大部分が射程に入る可能性を実証か-アナリスト
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韓国大統領は対話呼び掛け、事態が制御不能になりかねないと警告

北朝鮮は29日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級とみられる弾道ミサイルを発射した。9月15日以来2カ月ぶりとなるミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したもよう。トランプ米大統領は対応を検討する構えを見せており、新たな緊張を招く恐れがある。
日本政府によると、ICBM級とみられる弾道ミサイルはロフテッド軌道で53分間にわたり飛行し、高度4000キロに達した後、青森県の西250キロのEEZ内に落下したもよう。マティス米国防長官は北朝鮮がこれまでに打ち上げたミサイルの中では最も高い高度を飛行したと指摘。アナリストらは米国の首都ワシントンも射程に入り得ることを今回の発射試験は示したと分析している。

北朝鮮がICBM級ミサイル発射
北朝鮮は「炎と怒り」に見舞われるだろうと以前に威嚇したこともあるトランプ大統領はこの日、「われわれはこの状況に対処する」とコメントし比較的慎重な反応を示した。安倍晋三首相はトランプ大統領と電話会談を行ったが、軍事オプションの話は出なかったと菅義偉官房長官は同日の記者会見で明らかにした。同大統領は韓国の文在寅大統領とも電話会談した。
今回のミサイル発射は北朝鮮が米国を核攻撃できる能力の獲得に向けて前進していることを示すものだ。トランプ大統領はこれまで、北朝鮮の核の脅威を阻止するために必要なら軍事力の行使も辞さない構えを見せている。

北ミサイルの射程
日米韓の3カ国は国連安全保障理事会に緊急会合開催を要請した。韓国の文在寅大統領はミサイル発射を非難するとともに対話を呼び掛け、北朝鮮が完全に機能するICBMを手にすれば事態は「制御不能」になりかねないと警告。「北朝鮮が誤った判断を基に核兵器でわれわれを脅かしたり、米国が先制攻撃を検討したりするような事態を防ぐべきだ」と国家安全保障会議で述べた。
米国防総省は日本海に着水するまでに同ミサイルが約1000キロ飛行したと発表した。
ミドルベリー国際大学院モントレー校ジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究員シア・コットン氏は、「今回のミサイル発射実験に関してわれわれが得た数字が正確だとすれば、北朝鮮は首都ワシントンや米国の東海岸の大部分が射程に入ることを実証したようだ」と指摘した。

原題:North Korea ICBM Shows Nuclear Progress in Fresh Test for Trump(抜粋)