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短国残高目標20兆円割れへ、過度の金利低下是正-きょう運営方針発表

  • 「日銀トレード」封じが狙い-東短リサーチ
  • 緩やかなオペ減額ではマイナス幅縮小は困難-JPモルガン
General Views of the Bank of Japan Headquarters Ahead of Monetary Policy Meeting
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
General Views of the Bank of Japan Headquarters Ahead of Monetary Policy Meeting
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行は30日夕、来月の国債買い入れ方針を発表する。長期国債は購入額のレンジ据え置きが予想される中、国庫短期証券(TB)の月末残高を10兆円台後半に引き下げるとの見方が強まっている。国内投資家の採算が取れない水準まで低下した金利を是正する狙いが指摘されている。

  日銀の当座預金の一部超過分に課される付利がマイナス0.1%であるのに対し、3カ月物TB利回りは先週末にマイナス0.25%弱と3月以来の水準まで低下し、逆イールド状態が一層進行した。3月当時は海外投資家に加えて、年度末を控えた国内金融機関の需要で市場の需給が逼迫(ひっぱく)し、日銀は急きょTB買い入れオペの一時取りやめなどに迫られた

  このため、今回は特にTBの残高に注目が集まっている。11月の日銀によるTB買い入れ額は、金利コントロール策を導入した昨年9月以降で最低を記録。償還額を考慮すると残高は19兆3000億円程度に減少する見込み。これは日銀が先月末発表のオペ方針で示しためど「おおむね20兆円台前半」を下回る。バークレイズ証券やみずほ証券は来月末の残高見通しを「10兆円台後半」と予想している。

TB3カ月物金利の推移

  東短リサーチの寺田寿明上席研究員は「日銀が金利動向に応じて機動的に減らす方針に転じたことで、短期ゾーンも金利の世界だということが鮮明になり始めた」と指摘。「市場が金利への意識を高めれば、あまりにも低い金利はおかしいと自発的に感じるはずで、その辺をうまく読み取ってほしいというのが日銀の本音ではないか」とみる。

  さらに国債の売買を仲介する証券会社が投資家に売れなかった分をオペで大量に売却する日銀トレードを封じることで、「転売目的でない国内投資家の採算が合わないほどの過度な金利低下を是正するのが狙いではないか」と、寺田氏は読む。

付利と裁定働く水準へ

  寺田氏は、TBの仲介業者は国内銀行や海外勢に販売するのが本来の役割だが、売れ残りをオペで処分できるため、投資家ニーズよりかなり低い金利水準でマーケットメイクしがちだと言う。オペを当てにできなくなると、論理的には「マイナス0.1%の付利との裁定が働く水準に近づいていく」と分析する。

  日銀の中曽宏副総裁は先月の講演で、先行き必要ならイールドカーブの形状を調整する方針だと言明。黒田東彦総裁は13日の講演で、行き過ぎた金利低下が金融機関の預貸利ざや縮小を通じて金融緩和が逆効果となる「リバーサル・レート」の議論に触れた。28日の衆院予算委員会では、最適なイールドカーブの把握に参考となり得る一つの理論だと説明。経済・物価情勢の変化に応じた望ましい国債利回りの変化や行き過ぎた金利低下への懸念を示す言動が増えている。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、日銀はリバーサル・レートなどを念頭に今後も国債買い入れを減らし、金融取引の担保需要でTBが必要な銀行勢などにバトンタッチを図っていくと予想。ただ、ドルと円の通貨スワップ取引で得るプレミアムでマイナス利回りの日本国債でも採算が合う海外勢の存在もあるため、緩やかなオペ減額ではTB利回りのマイナス幅はなかなか縮小しないと読む。

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