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ドル・円は111円台前半、北朝鮮動向警戒や米税制法案不透明で上値限定

更新日時
  • 朝方に一時111円割れ、その後111円33銭まで持ち直す
  • パウエル氏、利上げ継続とバランスシート縮小を予想-証言テキスト
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円台前半を中心に推移した。朝方に111円を割り込んだ後は持ち直したが、北朝鮮リスクや米税制法案を巡る透明感がくすぶる中、上値は限定的となった。

  28日午後4時20分現在のドル・円は前日比0.1%高の111円25銭。朝方は日本株の下落や米長期金利の低下を背景に一時110円93銭までドル売り・円買いが進行。その後、日本株がプラスに転じ、ドル・円も111円33銭まで戻したが、午後に日本株が再びマイナス圏に沈むとドル・円も伸び悩んだ。

  SMBC信託銀行金融商品開発部のシニアマネジャー、シモン・ピアンフェティ氏は、金利差はドルに有利だが、米税制法案の行方が不透明な中、足元の水準でドル・円は買えないと指摘。「政治はいつもトリッキー」だとし、ドル・円を買うのなら「111円割れを待つだろう」と述べた。
 

北朝鮮リスク警戒で一時111割れ

 
  米上院予算委員会の共和党メンバー2人は27日、同委での28日の税制法案採決で反対票を投じる可能性があると表明した。その場合、法案可決に向けたプロセスは遅れ、週内に本会議採決を行う予定は危うくなる。

  28日の東京株式相場は小幅続落。日経平均株価は一時プラスに転じたが、9円安で取引を終えた。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストはリポートで、「米税制改革の見通しの悪さと北朝鮮の挑発行動への警戒から、ドル・円の下値不安は払拭(ふっしょく)されていない」とし、200日移動平均線を下回り地合いが悪化する中で、ドル・円が戻したとしても111円半ば付近では戻り売りが被ってきてもおかしくないと予想した。 

  北朝鮮による弾道ミサイル発射準備をうかがわせる電波信号が捕捉され、政府が警戒を強めていることを複数の政府関係者が明らかにした、と共同通信が報じた。前日の海外市場では株安を受けたリスク回避の流れに北朝鮮のミサイル発射準備報道も加わり、一時110円84銭と9月18日以来の水準までドル安・円高が進んだ。

  一方、この日は米国で次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名されたパウエル理事が上院での承認公聴会に出席する。公聴会に先立ち公表された証言テキストによると、同理事は政策金利の引き上げの継続とバランスシート縮小を予想していると発言する。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「パウエル氏の発言は注目だが、利上げペースを引き上げる必要性を言う可能性も低い」と指摘。むしろ、北朝鮮リスクが意識される中、ドル・円の上値の重さは払拭されにくく、米税制法案も「本当に可決が見えてくるまでは、報道に振らされる状態が続いてしまうだろう」と話した。 

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