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【インサイト】中国インターネット企業が来年躍進

2018年、中国のインターネット企業はオフライン消費(実店舗販売)を取り込むことで国内市場を広げる一方、積極的に世界展開を進めるだろう。人工知能(AI)等の新たな技術や有料サービスの拡大により、ユーザーからの収益拡大が見込める。

・国内市場での優位から世界市場へという野望

  中国インターネット企業による海外企業買収の加速が見込まれる。テンセント・ホールディングス(騰訊)、アリババ・グループ・ホールディング、JDドットコム(京東)、ネットイーズ(網易)、Cトリップ・ドット・コム・インターナショナルは国内市場成熟化の過程で熾烈(しれつ)な競争に勝ち抜き、中核事業での立場を固めた。相対的にネット普及率が低いアジア市場を中心に海外展開していくことが、次の順当なステップとなるだろう。

  潤沢なキャッシュを有するとはいえ、海外展開には課題も多い。買収による企業統合の際には、異なる規制や言葉への順応に時間を要するほか、重要な問題として、ほとんどの海外市場で既存領域を守ろうとする強力な抵抗勢力が存在することが挙げられる。

中国インターネット企業の主要な海外資産

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・潜在市場拡大に向けオフライン・リテールへの投資継続

  現在、中国小売市場の18%がネット経由だが、ネット通販最大手のアリババとJDドットコムは残り82%の潜在市場に触手を伸ばしている。今後、両社によるオフライン資産(実店舗)取得が加速するだろう。アリババの「ニューリテール」計画とJDドットコムの「第4次小売り革命」は、オンラインとオフラインの融合によって、顧客により効率的なショッピング体験を提供するとともに、顧客のオフライン消費パターンに関する貴重なデータを収集することを目指すものである。

  ネット通販業者の戦略の要は、実店舗販売業者(B&M)と提携あるいは買収し、これらの企業における支払いや顧客/在庫管理技術の「デジタル化」を進めることである。 アリババとJDドットコムの過去2年間のオフライン資産取得額は100億ドルを超える。

実店舗の取得状況

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・オンラインコンテンツへの課金に対する抵抗が薄れた

  以前に比べて著作権保護の環境が整ったこと、モバイル端末が普及したことに加え、若い世代はネット上のエンターテインメントへの課金にさほど抵抗がなく、中国企業は有料コンテンツによる収益化を実現しやすくなった。公式データによれば、2017年半ば時点の中国のインターネット人口におけるオンラインニュースの普及率は83%である。動画は75%、音楽は70%、文学は47%だった。

中国のデジタルコンテンツのユーザー数と有料率

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・AIの商用化で躍進が見込まれる

  今後も業界にリソースが注がれ、AI技術の商用化で中国は米国に追いつくだろう。 機械学習のアルゴリズムは新しいものではないが、AI進展の背景には、インターネットの一段の普及によって、学習のために必要だがこれまで取得が難しかった大量の多面的ユーザーデータに研究者がアクセスできるようになったことがある。 他のどの国より多くのユーザーデータを有し、また政府主導のサポート体制がある中国は、AIにおける世界の主要プレーヤーとなり得る。

  AIは、アリババ、テンセント、バイドゥ(百度)といった企業のEコマース 、ソーシャルメディアおよび広告事業からの収益化進展を支えるだろう。スマート家電や自動運転車などのAI搭載 製品も今後商用化されていく見通しだ。

ベンチャーキャピタルによるAI投資額(累積)

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China Internet Companies Go Bigger, Wider, Deeper, Newer in 2018

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