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景気回復で補正予算2兆円台に、現政権で最小規模-当初予算へ軸足

  • 待機児童対策、生産性向上策、農業強化策が中心-来月22日に決定
  • 景気回復、支持率持ち直しで大型補正は必要ない-野村証券の桑原氏
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
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2017年度補正予算は安倍晋三政権下で最小規模となる見通しだ。足元の経済情勢が好調な中、「人づくり革命」「生産性革命」の二枚看板の実現に向けて財政を投入するが、大型の経済対策を伴う補正とは一線を画す。有識者からは、単年度に限定される補正予算から、より長期的な計画を立てられる当初予算充実への転換を図るべきだとの声も高まっている。

  複数の政府関係者によると、今年度補正予算の規模は3兆円を下回る2兆円台に抑える方向で調整している。待機児童解消に向けた施設整備や、生産性向上関連施策、日欧経済連携協定(EPA)大筋合意を受けた農林水産業の強化策が中心となる。財源は2016年度の剰余金や国債費など義務的経費の使い残しのほか、建設国債の発行で確保する。12月22日に来年度予算と併せて閣議決定される見通しだ。

  安倍首相は21日の参院本会議で、「今年度補正予算は景気下振れへの対応ではない」と言明。10月26日の経済財政諮問会議では、高橋進日本総研理事長ら民間議員が「補正予算の編成は必要最小限にとどめ、必要な予算は、物価・賃金動向を踏まえつつメリハリをつけて当初予算に計上すべきだ」と提言していた。

  足元の経済情勢は好調で、7-9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は7期連続のプラス成長を記録した。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは24日の電話取材で、「短期的な景気の底上げの必要性は薄い」と指摘した上で、「安倍政権の財政政策は補正予算から当初予算へ、建設投資から人材投資へシフトした」と説明。当初予算は前年踏襲の慣行を改め、大胆な組み替えが必要だと述べた。

  12年末の第2次政権発足以降、安倍首相は4回の経済対策を実施し、財源を確保するための補正予算を編成。義務的経費の追加なども含めた各年度の一般会計の追加歳出は3.9兆円から8.2兆円規模に上った。うち16年度には第1次~3次補正で計5.5兆円を計上。15年度は4.8兆円の補正を編成したが、経済対策は策定していない。

  自民党は10月の衆院選で大勝し、単独過半数の議席を獲得したばかり。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは大型の補正予算編成について、「実際に景気が良いことに加えて選挙も終わり、支持率も持ち直しているので、いろいろな意味で必要ない」と否定的な見解を示した。

  一方で、与党内からは大型補正予算を求める声も上がっている。共同通信によると、自民党の二階俊博幹事長は16日、公共事業を盛り込んだ大型補正予算の編成を首相に要望。自民党の竹下亘総務会長も20日の講演で、「1兆円の大台に乗る公共事業を実現したい」と述べたという。

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